2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26450213
|
Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
八木橋 勉 独立行政法人森林総合研究所, 東北支所, グループ長 (00353889)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫃間 岳 独立行政法人森林総合研究所, 森林植生研究領域, 主任研究員 (10353822)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 伏条 / 耐陰性 / ヒノキアスナロ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,暗い林床に長期間生きるヒバの更新特性が,生理的な対応のみでなく,伏条による個体の生産と消費バランスの構造的なリセットにより達成されるという新規な仮説の検証である。これにより,高木の更新戦略に新たな視点を示すとともに,ヒバの択伐林施業において,十分な稚樹の確保に役立てる。 当年度は,初年度にあたり,試験地の設定を行った。具体的には,津軽半島に位置し,林冠が閉鎖したブナ林の林床にヒバの実生が長期にわたって存在してきた場所に,測量を行って10m x 30mのプロットを設置し,5mごとに12個のサブプロットを設置した。プロット内に存在するすべての幹(個体やラメット)の位置の測量と,タグによるナンバリングを行い,各幹の根元径,幹高を測定した。さらに,各幹からDNAサンプルとして葉を採取し,マイクロサテライトマーカーを用いて同一遺伝子を持つ幹のまとまりを明らかにするための分析を開始した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の計画通りに、調査地の設定や、試験地内の各幹の測定などを終了し、DNA解析を開始した。DNAの解析に関しては、大部分を27年度へ回すこととしたが、代わりに、当初は幹の位置の特定は、暫定的にサブコドラート単位で記録し、27年度に全幹の位置測量を行う予定であったものを、前倒しで全幹の位置測量を終えた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、一部の個体で年輪解析を行い、無性繁殖による拡大または移動距離を明らかにし、光が不十分な環境下での,ヒバの生存戦略,更新戦略を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
十分な精度のマーカーを選択することに時間がかかったため、DNA抽出や解析にかかる作業の多くを、平成27年度に行うことになったため、次年度に繰り越しが生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
すでにEST-SSRマーカーの一部をマルチプレックス化し、十分な精度で個体識別が可能になったので、今年度は、繰り越し額を合わせ、解析を進める。
|
Research Products
(2 results)