2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26450216
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
阪田 匡司 国立研究開発法人 森林総合研究所, 立地環境研究領域, 主任研究員 (50353701)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 土壌呼吸 / Q10値 / 土壌乾燥処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
森林生態系の炭素収支に大きな影響をおよぼす土壌呼吸に着目し、土壌呼吸の推定に広く用いられている温度特性に関わるパラメータQ10値の変動要因を明らかにすることを目的とし、土壌呼吸のQ10値におよぼす土壌水分変動による影響を評価するため、下記の研究をおこなった。昨年度設定したスギ林試験地(茨城県かすみがうら市森林総合研究所千代田苗畑構内)において、降雨遮断によって土壌乾燥処理試験区の野外土壌呼吸測定観測を開始した。また、土壌呼吸の内訳である根呼吸と微生物呼吸について室内培養実験による測定手法を開発し、根呼吸および微生物呼吸のQ10値を確認する方法を確立した。野外観測による結果については、システムトラブルにより測定点数が足りなく、Q10値の推定にはいたらかなった。室内培養実験については、野外で採取したままの水分条件で実験をおこなったところ、根呼吸のQ10値は2.3~3.2の変動幅があり、根の直径が大きくなるほどQ10値が大きくなる傾向が見られた。微生物呼吸のQ10値は2.3~3.9と変動幅が根呼吸よりも大きく、土壌深度が深いほど大きい傾向が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
土壌呼吸の観測システムの機器トラブルおよび原因究明の遅れによって、土壌呼吸の測定点数が想定したものよりも少なく、元データでは野外観測でのQ10値を推定できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度構築した室内実験を用い、水分条件の異なる根呼吸、微生物呼吸のQ10値を推定するとともに、野外での土壌呼吸観測システムを用いて乾燥処理試験区での連続土壌呼吸観測をおこない、土壌呼吸の温度特性におよぼす土壌水分変動の影響を評価する。
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Causes of Carryover |
システムトラブルの原因究明に時間がかかり、想定していた必要物品・試験地への旅費・現地作業のための人件費に余剰が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
システムトラブルの原因が確定していることから、次年度以降に早急に必要物品費として使用する。
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Research Products
(2 results)