2015 Fiscal Year Research-status Report
日本各地でのシカによる植生への影響度を決定する要因の解明
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26450221
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Research Institution | Yamanashi Forest Research Institute |
Principal Investigator |
飯島 勇人 山梨県森林総合研究所, その他部局等, 研究員 (30526702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 真由美 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, その他部局等, 研究員 (00543753)
安藤 正規 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (80526880)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 下層植生 / 被度 / 剥皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
各都道府県(北海道、千葉県、山梨県、京都府)において、既存の植生データを調べたところ、都道府県間で重複して測定されている項目が複数あることが明らかになった。そのため、本年度は各都道府県で収集されている既存の植生データを整理し、収集した。下層植生の被度は全都道府県で、立木の剥皮率は千葉県以外の都道府県で、ササの被度は千葉県以外の都道府県で、スギ・ヒノキの剥皮率は京都府と山梨県で、アオキの食痕は千葉県と京都府で、リョウブの剥皮は京都府と山梨県で、ササの高さは北海道と山梨県で、ササの食痕は北海道と山梨県で収集されていた。また、岐阜県と愛知県について、シカの個体数推定が可能であり植生データを保有していることが明らかになったことから、新たに本研究に加えることとなった。岐阜県は下層植生の被度、剥皮、アオキ食痕、リョウブの剥皮、ササ被度が、愛知県は剥皮が利用可能であった。 北海道については、シカの個体数推定に使えるデータが研究当初は出猟カレンダーしか無く、推定することができなかった。そこで本年度は、ライトセンサスデータをGIS化し、推定データとして追加した。しかし、一部のパラメータが非現実的な値となり、推定することができなかった。そのため、来年度は一部の地域で距離標本法によって推定されているシカ個体数をデータとして加えることで、全道の個体数推定を目指すこととした。また、全道で推定が難しい場合、東西、あるいは振興局単位で推定することも検討することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
都道府県間で比較可能な植生データを整理することができた。さらに、研究当初は含まれていなかった2県を新たに加えることができた。その一方で、北海道については個体数推定ができていない。予定より進捗している部分と遅れている部分があるため、全体としてはおおむね順調に推移していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
北海道については、距離標本法によるデータが入手でき次第、推定を試みる。 他の都府県については個体数データと植生データがそろっているため、共通の解析に用いることができるようにデータを整理し、個体数と植生の関係を気象要因なども考慮して解析する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた野外調査を資料収集に変更したため、若干予算に差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度については計画通りシカ密度と植生の関係を解析するため、予定通り執行する。
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Research Products
(5 results)