2015 Fiscal Year Research-status Report
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26450227
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
安村 基 静岡大学, 農学部, 教授 (40143408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 研治 静岡大学, 農学部, 助教 (90576240)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | CLT耐力壁 / 亀裂発生 / 破壊性状 / 有限要素法 / せん断耐力 / 地震応答解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
有開口CLT壁パネルについて、1)単一の直交異方性要素によるモデル、2)内層と外層をそれぞれ直交異方性要素によりモデル化した面要素を結合したモデル、3)個々のラミナを外層および内層についてモデル化しこれを結合したモデル、を用いて寸法・形状の異なる開口部を有する壁体について数値解析を行い、壁体内での応力の分布を調べるとともに、せん断耐力、剛性の計算値を実験結果と比較した。その結果、3つのモデルを用いた有限要素法による剛性の計算値は、いずれのモデルを用いた場合も実験値とよく一致した。また、開口部の引張応力度より求めた壁体のせん断耐力は、いずれの開口形状を有するものについても、実験における最大耐力の約2/3となっており、開口部隅角部における亀裂が、最大耐力の約2/3の水平力で発生し、水平力の増加とともに亀裂が進展することがわかった。 CLT壁パネルにおける正負繰返し実験の結果をもとに、壁体の荷重・変形関係をモデル化し、このモデルを用いて3層構造物を想定した構造について非線形時刻歴地震応答解析を行った。構造物は、ベースシアー係数を1.0として各部の応力がそれぞれの終局耐力以下となるように設計した。入力地震波は、1995JMA KOBE NSを100%から徐々に増加させ、最大層間変形が実験の最大変位約40mmとなるまで計算を行い、最大変位を与える入力がJMA KOBE NSの約1.5倍であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験および解析は概ね順調に進んでいるが、解析の精度をあげるための作業に時間を要し、また試験装置の調整に時間を要したこともあり、予備実験は行ったが、地震波を変化させた仮動的実験は実施できなかった。また、実験における亀裂の発生時の検出の精度をあげる工夫が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
CLT耐力壁の仮動的加力実験を実施し、動的解析モデルの検証を行う。これらのの研究結果をもとに、開口を有するCLT耐力壁の設計法の検討を行う。また、これらの壁体と床パネルで構成された構造物の設計法の妥当性の検討を行う。
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Causes of Carryover |
平成27年度は、まず解析モデルの作成を中心に行ったため、CLT耐力壁の仮動的実験の予備試験は行ったが、地震波をパラメータとする実験は実施できなかった。次年度は、CLT耐力壁の仮動的実験を行い、本年度作成したモデルの検証を行う。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
CLTを用いた耐力壁の仮動的加力実験を行い、前年度行った時刻歴地震応答解析の結果より得られた特性と実験より得られた壁体の地震時の特性との比較を行い、解析モデルの妥当性の検証を行う。これらの成果をもとに、CLT耐力壁および構面の設計法の検討を行う。 H28年度使用額は、当初の計画通り仮動的実験における試験体製作および実験実施費用に当てる。
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Research Products
(3 results)