2014 Fiscal Year Research-status Report
加齢性疾患に対する高次機能性きのこ栽培技術の開発とその効能評価
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26450235
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
江口 文陽 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (60337467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬山 智子 東京農業大学, 地域環境科学部, 准教授 (20596697)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | きのこ / 担子菌 / 生活習慣病 / 機能性食品 / 微生物 / 栄養成分 / 脂質異常症 / きのこ加工食品 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年に確立したきのこ栽培条件によって生産したヒラタケ、マイタケ、エノキタケなどの子実体抽出物および加工製品の機能性評価を実施した。脂質異常症改善効果、抗炎症効果、免疫賦活効果等の機能性評価試験法を用いて機能性に関する栽培条件が及ぼす差異性を確認した。 特にヒラタケとエノキタケに関しては、生活習慣病予防効果の高い機能性をもった新規天然素材食品添加物の製造に関する新知見を得た。 子実体およびその抽出物に対して、骨粗しょう症改善効果、脂質異常症改善効果、高血圧抑制効果、抗炎症効果等の効果があることが明確になった。 研究成果の成し得たポイントとして、一日の適正摂取用量の規定、機能性に関する最少有効用量・最大有効用量を明確にした。きのこは、天然物生物学的曲線の中央有効用量を超えると機能性に関する効果は釣鐘型現象を示し、高濃度による機能性効果は減弱することが明らかになった。 子実体および開発食品の成分分析を実施し、一般栄養成分、ミネラル(特にカルシウムとカリウム)、有機酸、脂肪酸、糖、アミノ酸、総ポリフェノール量等を定量した。品質管理の基準となる成分指標値を決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的に沿って実験は推進されている。培養細胞レベル、動物実験、ヒト試験などの研究などとを用いた総合的な解析から順調に結果を構築している。更なる研究の推進を目指して研究計画の再検討および協力研究者との連携などを有機的に図ることも視野に入れて目的の達成を目指したいと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに確立された栽培法による子実体の栽培を平成27年に継続して行い生産の安定性についての科学的検証を推進する。 また、きのこ添加発酵食品の開発の開発を目的として、日本古来の発酵調味料である味噌および醤油醸造原料にきのこを添加することで、きのこの風味・旨み合わせ持った新規味噌・醤油の開発を推進する。特に味噌製造時から発酵過程を通じてきのこを添加した麦味噌の試醸を行う。 子実体および開発食品の機能性評価試験として骨粗しょう症改善効果に対する骨芽細胞の骨形成マーカーアルカリフォスファターゼ(ALP)活性による骨形成促進因子解析試験を実施し超高齢社会に対する新規機能性食品開発の普及を考慮した実学研究へと推進させる方策を講じる。
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