2014 Fiscal Year Research-status Report
沿岸性珪藻タネ細胞における光合成を介した発芽誘導機構の解明
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26450253
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
紫加田 知幸 独立行政法人水産総合研究センター, その他部局等, 研究員 (40603048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
得津 隆太郎 基礎生物学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 助教 (60613940)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 光合成 / 珪藻 / 発芽 / 赤潮 |
Outline of Annual Research Achievements |
Leptocylindrusの休眠胞子と栄養細胞の全mRNA-seqを実施し、現在データ解析中である。また、休眠胞子の光合成活性と発芽の関係を調べるために,基礎生物学研究所大型スペクトログラフを用いて,休眠胞子に波長の異なるいくつかの単色光を8時間照射し,光合成の各種パラメータの経時変化を調べた。計測には光合成蛍光誘導弛緩測定装置FIRe(Satlantic社製)を用いた。その結果,青色光(440 nm)や赤色光(680 nm)の照射により,照射開始直後から2~4時間後にLEFで示される光合成活性が急激に上昇した。また,最も高い光合成活性が認められた青色光下では高い発芽率が得られた。よって,発芽に有効な波長光の照射直後に光合成の活性化が起こることが示された。さらに,休眠胞子についてタンパク質解析を施すために,まず休眠胞子から効率よくタンパク質を抽出可能なサンプルバッファーの組成を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた項目のほとんどを実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在解析中であるシーケンスデータは、発芽に必要な代謝反応等を絞り込むための重要な基礎資料とする予定である。本研究において最も効率よくタンパク質を抽出できたサンプルバッファーを用いて,休眠胞子の光化学系タンパク質の活性化に必要な生化学反応を特定し,それらと発芽との関係を解析していく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度、実験対象生物の発生期間が短く、実験を進めていた実験(タネ細胞の光化学系タンパク質の発現解析)を中断する事態が発生したため、当初の想定よりも消耗品にかかる費用が少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、中断した実験を再度実施する。
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