2016 Fiscal Year Annual Research Report
The molecular mechanism of light-induced germination in resting spores of a coastal diatom
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26450253
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
紫加田 知幸 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 瀬戸内海区水産研究所, 研究員 (40603048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
得津 隆太郎 基礎生物学研究所, 環境光生物学研究部門, 助教 (60613940)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 赤潮 / 珪藻 / 休眠期細胞 / 光発芽 / プロテオーム解析 / 全mRNA-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
海産珪藻Leptocylindrus danicusの栄養細胞について全mRNA-seqを実施し,本種のタンパクデータベースを得た。次に,L. danicusの休眠胞子についてプロテオーム解析を実施した。まず,受光前,受光後1,5,10時間後の休眠胞子を回収して凍結保存した。休眠胞子よりタンパク質を抽出し,SDS-PAGEにて分離・銀染色し,ゲルの上端から下端まで均等に12分割した。各画分をゲル内消化後,質量分析に供した。その後,上述したL. danicusの全mRNAデータを用いて,タンパク質同定を行った。光照射1 h後にはクエン酸回路や糖代謝関連の酵素,光照射5時間後にはRNAヘリカーゼ,カルシウムシグナリング,脱リン酸化やリン酸化といったシグナル伝達関連の酵素および硝酸還元酵素が新たに発現していた。これらのことから,休眠胞子は受光後,エネルギーを消費しながら転写やシグナル伝達を活発に行うことが推察された。また,休眠胞子は光照射1 h後から光合成活性が急激に上昇させるというこれまでの解析結果を踏まえると,同時に栄養塩代謝を活性化させて光合成を行い,エネルギーを産生することも推測された。ただし,今回光照射によって変動が認められたタンパク質のほとんどは機能不明であったので,今後,各タンパク質の機能解析を進め,解析結果の全体像を見直す必要がある。
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Research Products
(3 results)