2014 Fiscal Year Research-status Report
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26450264
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
河野 智哉 宮崎大学, 農学部, 准教授 (60527547)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 魚類 / Th細胞 / サイトカイン / 発現動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、まず初めに哺乳類においてTh細胞の分化を誘導することが知られるサイトカイン:IL-4/13, IL-6, IL-12, TGF-betaおよびIFN-gammaについて、大腸菌発現系を用い組換えタンパク質を作製した。全ての組換えサイトカインにおいて可溶性タンパク質が得られ、ニッケルカラムを用いた精製、続くエンドトキシンの除去を終えた段階で、以降の実験に供試すために十分な収量が得られた。さらにWestern Blottingによって組換えサイトカインの特異性を確認したところ、予測されるサイズに良好な反応が確認された。続いて、抗フグCD4抗体(作成済み)を用い、MACS法によって抹消血よりCD4陽性T細胞(Th細胞)の分取を行った。当該細胞に作製した組換えサイトカインを作用させ、フローサイトメーターによって経時的な細胞の形態変化を観察したが、大きな形態変化は認められなかった。さらに、組み換えたイトカインを作用させたTh細胞におけるサイトカイン遺伝子ならびにTh細胞の分化を誘導する転写因子の発現をマルチプレックスRT-PCRアッセイによって確認した。その結果、組換えIL-4/13で刺激されたTh細胞では、IL-4/13遺伝子の発現が誘導され、IFN-gammaで刺激されたTh細胞においては、IFN-gamma遺伝子の発現が増加することが確認された。また、哺乳類においてTh0からTh1, Th2, Th17, iTregへの分化をそれぞれ誘導することが知られる、T-bet, GATA3, ROR-gammat, FoxP3遺伝子の発現解析を行ったが、作用させた組換えサイトカインの種類に応じた特異的な発現パターンは確認されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
合成した組換えタンパク質の全てが可溶性で得られたこと、さらに当該タンパク質を作用させたTh細胞における、サイトカイン・転写因子群の発現解析を行えたことから、研究は計画通りに進んでいるものと評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度の研究の進展は順調であるため、次年度以降も引き続き当初計画に従って研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度実施した組換えタンパク質の合成の効率が非常に高く、当初計画していた消耗品・キット等の購入が不要となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、当初計画に加えTh細胞の膜分子に対する抗体を作成し、より精度の高い検出技術の構築を目指す。このための抗体作製費用として繰越予算を利用する。
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Research Products
(3 results)