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2016 Fiscal Year Research-status Report

マダイの卵成熟能獲得を巡る分子機構の解明

Research Project

Project/Area Number 26450298
Research InstitutionFisheries Research and Education Agency

Principal Investigator

奥澤 公一  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 増養殖研究所, センター長 (00211813)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 宇治 督  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 増養殖研究所, 主任研究員 (40372049)
風藤 行紀  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 増養殖研究所, グループ長 (60399996)
藤原 篤志  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 中央水産研究所, グループ長 (30443352)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywordsマダイ / 卵成熟 / トランスクリプトーム / ステロイドホルモン
Outline of Annual Research Achievements

昨年度に実施したマダイ卵濾胞培養実験の比較トランスクリプトーム解析を継続して実施した。解析に供したのは2015年5月に培養実験を行い、2016年2月に発現遺伝子の塩基配列を決定したデータである。産卵期のマダイ1尾の卵巣から卵濾胞を取り出し、ヒト胎盤性性腺刺激ホルモン(hCG, 10 IU/ml)の存在下で20℃12時間培養したホルモン処理区とその対照区(ホルモンなしで12時間培養)および培養前の卵濾胞の3サンプルを材料とした。全サンプルからRNAを抽出、逆転写した後、NGS (Illumina HiSeq4000)により塩基配列を決定した。得られた塩基配列から約39,000の遺伝子候補が得られ、その平均長は1,400塩基対(bp)であり、その83%に注釈付け(アノテーション)が可能であった。各サンプル間で発現頻度の比較を行ったところ、サンプル間で発現の異なる遺伝子は2,000から2,500個存在した。発現に差が見られた遺伝子について、遺伝子オントロジー(GO)およびパスウエイ解析を行ったところ、性ステロイドホルモン合成経路の遺伝子が多く含まれ、特に雌性ホルモン脱水素酵素(estradiol 17beta-dehydrogenase)遺伝子に顕著な変化が見られた。これは、hCGの作用により、卵成熟に関係するステロイド代謝関連酵素の発現が促進ないし抑制されたことを反映していると考えられる。今年度の成果によりマダイ卵成熟過程の遺伝子的背景の一端が解明された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

今年度は閉鎖循環式の30kL水槽2基を使用し、水温および日長を制御した飼育を実施し、長期間マダイを継続して産卵期の状態に置くことに成功した。しかしながら卵成熟能をhCGまたは組換えマダイLHによって獲得させることができなかった。これは繰り返して産卵しているマダイでは、排卵のためのマダイ自身のLHの大量分泌によって翌日に産卵される予定の次群の卵がすでに卵成熟能を獲得しているためと推察された。

Strategy for Future Research Activity

今後は、翌日には産卵しないマダイ(卵巣の卵母細胞に卵成熟能なし)と翌日産卵するマダイ(卵巣内卵母細胞に卵成熟能あり)の比較トランスクリプトーム解析を実施し、本研究の主たる目的である卵成熟能獲得に関する遺伝子の動きを解明する。

Causes of Carryover

マダイの飼育条件の検討と前年度実施した培養実験データの解析に時間を費やしたため、今年度実施した実験試料の解析ができなかった。また、NGSの進歩によって解析費用が当初予定より少なくてすむこととなったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

複数回の培養実験による試料をトランスクリプトーム解析してより精緻な結果を得る。

URL: 

Published: 2018-01-16  

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