2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the management of rural common property resources in developing countries
Project/Area Number |
26450326
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
近藤 巧 北海道大学, 農学研究院, 教授 (40178413)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 灌漑 / 共有資源 / インドネシア |
Outline of Annual Research Achievements |
インドネシア、中部ジャワ州、クドゥス県、ウンダアン郡において観察される水利制度、レランシステム(オークションシステム)において、組合長に就任することの収益性を検討した。平成29年度では調査地域一帯の水利組合、34件を対象に、レランシステムの普及率、オークションにおける落札金額、農民の水利費負担の実態を調査した。調査対象地域で観察された水利制度レランシステムでは、水利組合内で開催されるオークションにおいて組合長を決定する。組合長は任期期間中、水利施設の維持管理費用を個人で負担する一方、組合員から徴収される水利費を収入として得る権利を有している。 組合長就任の収益性を明らかにするため、レランシステムが広範に普及している地域のなかでも、落札金額と水利費が平均的な水準にあるシドマクムール水利組合を調査対象とした。水利組合シドマクムールの組合長は、2014年の1年間(雨期作2回)で、灌漑費(末端水路の維持管理費用等)2,900万Rp.を負担する一方、水利費収入として7,200万Rp.を得ていた。これより年間の所得は、4,300万Rp.であることがわかった。また、シドマクムールの組合長の任期中の村内の米価と金利を調査した。所得から灌漑費の資本利子を差し引き、余剰を求めると、籾米等価で10,482kgであった。この余剰と落札金、組合長の任期より、組合長就任の内部収益率を求めた結果、年41%であることがわかった。この水準はこの水準は調査地域の市場金利、年36%よりも高いことから組合長就任には経済インセンティブがあることが示唆された。
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Research Products
(5 results)