2014 Fiscal Year Research-status Report
土地所有権と女性の経済的地位の変容:ガーナのカカオ生産家計についての実証研究
Project/Area Number |
26450329
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
木村 雄一 大分大学, 経済学部, 准教授 (80419275)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 土地所有制度と投資誘因 / 農業技術・換金作物の導入 / 女性の農業・社会参画 / プランテーション企業 / 西アフリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、換金作物の導入・普及が貧困削減・所得向上と、農村女性の経済的地位にどのようなインパクトを持ったか、また換金作物導入のインセンティブに対して、伝統的土地所有制度とその変容が、どのように影響しているかを解明することである。質問票に基づいたインタビューでデータ収集し、回帰分析により問題設定に対する回答を導く。
調査地選定のため3年前から前年度までにガーナの4地方でプランテーション企業、小規模生産者へのパイロット調査を行っていた:2012年9月アシャンティ地方・カカオおよびオイルパーム;東部地方・パイナップル;2014年3月中部地方・オイルパーム;2014年8月西部地方・ゴム。この過程で、予算申請当初の計画であったアシャンティ地方のカカオから、西部地方のゴムに調査対象を変更した。理由は、小規模生産者の参入による所得上昇効果が、ゴム生産者について最も計測される見込みが大きいこと、また、作物導入が比較的最近の2005年に本格開始し、技術伝播の只中にあることから導入済と未導入が混在しており、回帰分析に必要な家計間のバリエーションが確保しやすいこと、などが判明したからである。
2014年度8月から9月にかけてケープコースト大学の研究協力者(「研究分担者」ではない)3人と調査員6人とともにガーナ西部農村8か所でデータ収集を行いゴム生産者を主体とした(食料作物のみの生産者を含む)農業家計230件のデータを収集した。現在、データの入力、回答の質(質問が意図どおり伝わり、分析の用途を満たす回答が得られているか)を精査し、修正箇所の洗い出し作業中。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2014年(平成26年度)は実証研究の具体的方法の策定、調査の計画と実行までを予定していた。現時点で順調に達成できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、先ず収集したデータを入力すると同時に、実証分析の目的から意図した有効な回答が得られているか詳細に吟味する。必要が生じた部分について、2015年8月に3週間ほど再度ガーナへ渡航し、調査チームとともに電話による追加調査を行う。続いて回帰分析に入る。
|
Causes of Carryover |
平成26年度は延べ1か月以上の調査で調査員への謝金支払いと宿泊費で100万円を超える支出が生じた。調査日数や一日あたりの所用時間を見積もり事前に請求したため、また為替レートにより実支出額との差が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度にガーナへ再度渡航、電話による追加調査を行う。この旅費・滞在費の一部に充てる。
|