2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Best Method to Downscale Super High Resolution GCM Outputs and Its Application to Integration of River Basin Dynamic Models
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26450342
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浜口 俊雄 京都大学, 防災研究所, 助教 (90263128)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超高解像度 / GCM / 地下水 / 塩水侵入長 / 塩水くさび / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究では最新の一般非公開超高解像度GCM出力や他の公開GCM出力を用いて任意地点の地球統計的ダウンスケーリングを高精度で行い,アンサンブルに流域内の様々な動態評価をすることで不確定性も考慮しながら検討することが目的である.当年度では,地下水動態について行ったモデリングを用いて,気候変動に伴う地下水への影響評価としうる沿岸帯水層への塩水侵入度合いについて現在と将来の比較検討を行った.現実には,地下水の塩水侵入域は真水との混合域を有して存在していることから真水と塩水の境界が不確かであり,計算領域の広さや淡塩解析で計算負荷が過分に大きくなるため,普通の計算では平易に侵入評価を得ることが難しい.本研究では,混合域がないと仮定した理論的考察で得られる塩水くさび(帯水層内の塩水侵入域)の沿岸から最も奥に侵入した距離(最大侵入長)をもって塩水侵入評価の基準とした.実際にはこの侵入長が塩水くさび混合域の中央付近になると思われ,侵入長の評価基準としても理に適うところが多く,計算対象域をある程度大きめの領域分割で地下水シミュレーションしても詳細な塩水侵入計算に持って行かずに評価が可能となった. 事例として,昔から沿岸域が塩害に見舞われやすい高知県物部川流域を選んだ.ただし,純粋な塩水侵入への影響を考慮するため,将来の海面上昇は考慮せずシミュレーションした.その結果,1975~2003年の現在気候では塩水侵入長が170mから190mの間で変化しているのに対して,2075~2099年の将来気候では200mから300mの変動幅を持つ結果となった.塩水侵入長は,単純に言えば,上流からの真水地下水流下量で塩水をどれだけ押し下げられるかで決まる.計算結果から,将来的には年降雨量の減少傾向により,最長で現在より130mも内陸まで塩害が及ぶ可能性があり,今以上の塩水侵入するという予測結果を示唆した.
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Research Products
(2 results)