2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of oil and SS recovery system for down-sizing wastewater management system and verification of separation properties
Project/Area Number |
26450351
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野口 良造 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (60261773)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧川 具弘 筑波大学, 生命環境系, 教授 (00236382)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | デンプン / 糊化 / 老化 / SS回収 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,老化の影響を受けた小麦粉を模擬排水中のSSと想定し,油を含む排水がSS回収用メッシュの閉塞を起こす濃度境界を明らかにすることを目的とした.油の濃度に関わらず老化したSSを含む排水のほうが老化していないSSを含む排水よりも閉塞を起こすSSの濃度が低くなった.これはデンプンが老化する際に粒子が崩壊し,繊維状に粘着することで径が大きくなるためだと考えられる.老化したSSを含む排水は,粘度が高くなることも原因の一つである.閉塞を起こすSSの濃度境界の推移の傾向は,油の濃度が1.0 g/L以下と1.0 g/L以上で二分された.油の濃度が1.0 g/L以下では,老化していないSSを含む排水が閉塞を起こすSSの濃度は,油の濃度増加に伴い減少した.一方,老化したSSを含む排水では,油の濃度増加に伴い増加した.これは,油が老化したSSを覆うことで粘度が下がり,流動性が増し,閉塞が起きにくくなったためだと考えられる.油の濃度が1.0 g/L以上では,どちらの排水も油の濃度に関係なく閉塞するSSの濃度は一定となった. これらの二分された傾向より,油の濃度が1.0 g/L程度で,存在する老化したSSの全てを油が覆いきることが考えられる.しかし,比例関係が続くことはなく,老化したSSの濃度が2.5 g/Lより高い場合は油の濃度に変わらずSS過多となり,閉塞が起きたと考えられる.以上より,老化したSSを含む含油排水がSS回収用メッシュの閉塞を起こす濃度境界を示すことができたため,閉塞境界よりSSの濃度を下げれば閉塞が起きずSSを回収できることが示された.
|