• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2014 Fiscal Year Research-status Report

音響センサによる穀物重量・水分の推定及び収量コンバイン・穀物乾燥機への応用

Research Project

Project/Area Number 26450353
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

庄司 浩一  神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10263394)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords周波数特性 / 積算値 / 高速フーリエ変換 / 重量推定 / 水分推定 / 推定モデル
Outline of Annual Research Achievements

水稲籾およびコムギの収穫量と含水率を測定する目的で,セラミックイヤホンを薄い板(鉄・アルミ・塩ビ)に貼り合せたセンサを製作した。まずスピーカと発振器を用いて,セラミックイヤホンの周波数特性を調べたところ,2kHzまで比較的平坦で以降は徐々に減衰するが,概ね8kHz程度まで用いることができると判明した。板の材料については,鉄が最もS/N比が高くとれることがわかった。以上の結果をふまえて収録周波数は20kzとし,小型コンバインのタンク上方から穀粒が吐き出される部分に鉄で試作したセンサを実装し,水田および麦畑で収穫実験を行った。
衝撃波の絶対値を用いて積算することで,穀粒タンクに入った穀物重を推定することを試みた。その結果,重量が4kgまでの範囲では決定係数0.8程度を得られた。
穀物の含水率を推定するために,1走行につき5回分衝撃の高速フーリエ変換結果を用いた。ここで特定の周波数での振幅を全周波数の振幅和で除した指標と,小麦の水分(15~29%)の関係を調べたところ,0.7弱の決定係数が得られた。まだ荒削りな結果ではあるが,現行に比べてきわめて単純な装置で穀物水分が推定できる見通しがついた。
同じ原理を用いて,施肥機の繰り出し部下のホッパにイヤフォンを装着する試みも行った。トラクタの振動は空中に比べてかなり拾うものの,肥料のホッパへの衝撃振動がそれ以上に大きく出ることが判明した。これを用いて,運転中に肥料詰まりがないか運転席から確認ができる簡単なモニタ装置を製作し,実機での動作確認ができた。繰り出し量のリアルタイム測定については,まだ実用に耐える精度は得られていない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

研究実績の概要に示したとおり,本年度は圃場実験を集中的に行い,申請時に予定していた穀物重量の推定および水分の推定については荒削りながら実現の見通しがついた。このため,予定よりも前倒しで穀物乾燥機への適用を始めることとなった。さらに同じ原理の施肥機への適用が新たに試みられ,実用機に搭載して圃場実験に供することとなったことは,予定外の成果である。以上の状況より,当初の計画以上の進展と判断するのが妥当と考える。

Strategy for Future Research Activity

穀物重量の推定精度がいまひとつだった部分は,センサ出力の非線形性に拠ることが考えられ,推定モデル式の改良が直近の課題である。すなわちソフトウェアの部分に開発の重点を移すこととなり,申請者の過去の研究成果も参照しながら取り組む。従来と比べて収録周波数が高いため,計算機の負担を極力増やさないような方策が必要となるであろう。
水分推定については,次年度は引き続きデータを重ねて精度の向上を目指す。より難易度が高いと思われる水稲籾への適用にも挑戦する(圃場データは昨年度に取得済み)。また,当初の予定よりも早くなったが穀物乾燥機へ装着と測定も行う。この部分については,知財出願の検討段階に入っている。
新たに取り組んだ施肥機のモニタリングへの応用に関しては,繰り出し量の推定精度を上げる試みを行う。これは穀物重量の推定精度を上げることと等価になると思われるので,同じ手法で多くの適用先が得られると期待される。詰まり防止モニタについては,畑作用に開発された高速施肥機に搭載して圃場試験を行う。

Causes of Carryover

当初予算では,約70万円を汎用データ収録機の購入に充てていた。ところが,測定対象が直流成分を伴わない音声信号であることから,民生用の数万円のPCMレコーダの利用を検討した結果,汎用機以上の代替ができることがわかり,当該機購入の予定金額がほぼ余る結果となった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

当初の予算は,水稲・コムギ収穫実験の追加と乾燥機への適用実験に用いる。繰越した分は,新たに取り組みを始めた施肥機の応用のためにユニット購入や野菜産地での圃場実験のための旅費や運搬費に用いる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] コンバイン用簡易収量センサの開発2014

    • Author(s)
      荒井圭介・庄司浩一・川村恒夫・松本功・牛尾昭浩
    • Organizer
      平成26年度(第50回)農業食料工学会関東支部年次大会
    • Place of Presentation
      静岡県袋井市
    • Year and Date
      2014-08-06 – 2014-08-07

URL: 

Published: 2016-05-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi