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2015 Fiscal Year Research-status Report

音響センサによる穀物重量・水分の推定及び収量コンバイン・穀物乾燥機への応用

Research Project

Project/Area Number 26450353
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

庄司 浩一  神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10263394)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsイヤホン / 信号処理 / 周波数 / 重量 / 水分 / 推定 / コンバイン / 乾燥機
Outline of Annual Research Achievements

本年度は,昨年試作したセラミックイヤホン+衝突板からなるセンサのうち,衝突板に鉄および塩ビを用いたものを2条刈自脱型コンバインに搭載し,コムギおよび水稲の収穫実験をそれぞれ6月および10月に行った。昨年同様に,穀物重量の測定には出力の絶対値の積算を用いた。また較正した結果を用いて,簡易な収量マップの作成も試みた。水分の推定も昨年同様に,特定の周波数の振幅比の変化で較正および推定を行った。
上記と平行して,既存の穀物乾燥機のコンベアで投てきおよび衝撃が生じている部分にセラミックイヤホンを装着し,穀物水分を推定する実験を行った。これも同様に,コムギおよび籾についてそれぞれ6月および10月に実施した。穀物水分の実測値は乾燥機に表示される値を定点カメラで追跡し,出力はPCMレコーダによりSDカードに記録する方式とした。水分の推定方法は,コンバインで用いた方法と同様とした。
同様の装置および原理で,施肥機のホッパにおける肥料の繰り出しを測定する実験を継続した。本年度は特に実用性に着目して,肥料の詰まりを判別するための電子回路を新たに製作し,実機に装着して試運転を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

コンバイン上での穀物重量の推定には,鉄の衝突板を用いることが適切と判明し,その結果,コムギでの標準誤差は1.2kg(範囲は最大17kg,決定係数0.87),籾での標準誤差は3.0kg(範囲は最大54kg,決定係数0.97)を得た。昨年度は精度が上がらない原因としてセンサ出力の非線形性が疑われたものの,実際には無出力時の微小なノイズを積算していたことがわかり,これを避ける閾値を設定したことで,上記のとおり実用に耐える精度に近づいてきた。この結果を用いて,狭い範囲ながら収量マップを作成したところ,変動が大きい周縁部を除いても,籾収量は約400~650kg/10aの幅があることが判明した。
コンバイン上での水分の推定には,塩ビの衝突板を用いることが適切と判明し,その結果,コムギでは15~26%の水分範囲で,振幅比との相関係数が-0.60(p<0.01,片側検定)を得た。単純な直線回帰を行えば,水分の標準誤差は2.7%であり,大まかな水分の判別に使うことができる。一方,籾では20~26%の水分範囲で,振幅比との相関係数は-0.44(p<0.1,片側検定)であった。相関係数の絶対値がコムギより見かけ上小さくなったのは,測定した水分の範囲が狭いことに原因があると考えられ,直線回帰では同程度の標準誤差であった。乾燥機での水分推定では,予想に反して振幅比との相関を見出すに至らなかった。
肥料の繰り出し量について,非線形モデルなどを利用した推定をさらに試みたものの,芳しい結果は得られなかった。ただし,セラミックイヤホンは比較的低周波の機械振動に対して鋭敏でないために,肥料が正常に落下しているかを判別するのに適していることが判明した。

Strategy for Future Research Activity

次年度の計画としては,主として穀物水分推定の精度向上に絞って取り組む。このため,新たな実験は極力実施せず,すでに取得した信号の処理方法を改良することで,実用に向けた成果を出したい。たとえば乾燥機では,既存のフレームの鉄板上にイヤホンを装着したことから,特定の周波数だけでは信号として有効な成分を取り出せなかった可能性があるため,注目する周波数を増やすなどの工夫を行う。同様の考え方をコンバイン上のセンサにも応用する。
一方で,施肥機での肥料の繰り出し量推定は,コンバインでの籾の衝突に比べて運動量が小さいために信号が大きくない反面,衝突しながらある程度の厚みを形成するために信号がすぐに飽和してしまうため,測定原理上無理があると判断した。このため,正常な落下判別をする目的のみに限って回路を改良し,実機での実験を通して実用性を判断する。

Causes of Carryover

当初,小型穀物乾燥機を購入予定であったが,現場の穀物乾燥機にセンサを装着して実験する機会を得たので不要となった。代わりに,実験に供した穀物の性状を調べるために篩い分け装置を購入し,実験のための旅費も多めに使用したが,一昨年度からの繰越もあり,結果として残額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

来年度の見通しに書いたとおり,実験をなるべく控えつつ,既存のデータで精度向上に努めて実用化に近づける予定であるので,成果発表のための旅費や投稿のために,当初より多くの予算が必要となる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 衝突音を用いたコンバイン上での穀物含水率推定2015

    • Author(s)
      横野 喬,庄司 浩一,牛尾 昭浩,川村 恒夫
    • Organizer
      農業環境工学関連学会2015年合同大会
    • Place of Presentation
      岩手大学(岩手県・盛岡市)
    • Year and Date
      2015-09-14 – 2015-09-18

URL: 

Published: 2017-01-06  

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