2015 Fiscal Year Research-status Report
ソーラーアシストによる農業用ハウス暖房用バイオマス燃料焚きボイラーシステムの開発
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26450357
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Research Institution | Oshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
川原 秀夫 大島商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (80300622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 龍夫 山口大学, 理工学研究科, 教授 (90136135)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再生可能エネルギー / 太陽熱エネルギー / 木質バイオマス |
Outline of Annual Research Achievements |
農業用ハウスの暖房燃料は、一般的に石油等の化石燃料を使用するケースが多く、昨今の原油価格の高騰でハウス農家は経営が圧迫されつつある。特に、トマトやピーマン、バラといった栽培温度の高い作物を生産しているハウス農家では、消費する石油量も多く、燃料費の高騰に苦しんでいる。また、地球温暖化の観点から、二酸化炭素の排出量の削減は喫緊の課題であり、ハウス栽培を行うハウス農家においても対応が求められている。近年、環境保全型農業と再生可能エネルギーの組み合わせによる地域づくりが盛んになり、ハウス用熱源として木質バイオマスを燃料とした熱源装置が利用され始めている。 本申請課題は、ソーラーアシストを利用した農業用ハウス暖房用の木質バイオマス燃料焚きボイラーシステムの開発に主眼をおく。木質バイオマスを農業用ハウス暖房の熱源として利用する場合、燃焼利用(直接燃焼、混焼、固形燃料化等)が有望視されている。一方、木質バイオマスエネルギーは他の化石燃料に比べて、生産コストがかかるという問題がある。そこで本研究では、近年価格低下で注目されている太陽光集熱パネルと木質バイオマス燃料焚きボイラーを組み合わせて、太陽熱エネルギーによるボイラーの燃料消費及び二酸化炭素排出量の低減を目的とした新たなシステムを提案し、その評価を行う。 平成27年度は、実際に熱源システムで使用する蒸気ボイラーの主蒸気出口に蒸気エゼクターを接続し、蒸気ボイラーの設定圧力を変化させ蒸気エゼクターの吸引側の圧力及び出口側圧力の変化を捉え、蒸気エゼクターの性能試験を行った。これらの知見から蒸気エゼクターの吸引側の圧力値から集熱パネル側の沸騰開始の可能性について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度までに、熱源システムとして必要な物品は全て購入し、実験を開始している。大きな変更点として、当初太陽光集熱パネルを利用する予定であったが、蒸気エゼクターの吸気側の能力(負圧)によってパネル内部の構造的に問題(真空状態に耐えきれない)がある可能性があったので、集熱パネルからヒートパイプによる集熱パイプに変更を行った。この方法は集熱を受ける部分とタンクがセパレートしているため、タンク内の状態(負圧)による影響を受けないのが大きな特徴になる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度(平成28年度)は、蒸気ボイラー、蒸気エゼクターそして太陽光集熱パイプを組み合わせて、熱源システムの性能評価を実施していく予定である。日中の天候の状態及び季節の変化によって、所定の能力が発揮できるのかを精密に計測を行っていく予定である。最終的には、本システムの導入によりどれだけの燃費削減、環境対策効果までを明らかにしていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
各要素実験にこちらが計画していた以上に時間がかかったので、今年度までに熱源システムの配管系統は全て組み上げることはできなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
一部配管部品や電子部品等の消耗品が次年度において使用する予定である。システムを実際に組み上げて、不具合が出た場合には早急に対応する予定である。また次年度は、本研究成果を外部へ広く発表していく予定なので、旅費及び論文投稿料等を使用する予定である。
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