2015 Fiscal Year Research-status Report
コンパクトデジタルカメラ画像から推定の植生指標を高精度化する手法開発
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26450367
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
尾崎 敬二 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (60160834)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 情報工学 / 農業環境 / リモートセンシング / 画像情報処理 / 画像計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
商用デジタルカメラ画像をひとつのセンサ(分光放射計)出力として活用する試みの中で、可視光領域の影領域に対応して、植生指標推定値が異常に高い領域が出現する問題の解決法を提案できた。カメラ画像の最低輝度閾値を定め、これ以下の輝度を持つ画素を植生指標推定の過程から外す方法により、非常に効果的に異常高領域を除去できた。 画素除去の基準とする最低輝度閾値はカメラ出力画像のガンマ値に依存することを示した。デジタルカメラ画像のガンマ値は出力ディスプレイのガンマ値に合わせて2.2が一般的であるが、カメラ画像から植生指標を推定する場合には、1.8から1.9とすることを提案した。このガンマ値の算出には、分光放射計によるグレーパッチからの反射輝度の測定値を用いた。複数のデジタルカメラに対しガンマ値は2.2より小さい値となる測定結果を得た。出力画素輝度が閾値以下の画素を排除する方法は、閾値がガンマ値依存であるため、どのような条件下でガンマ値を最適値と決定すべきかを、現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(A)画像画素値の適正レベル補正:グレー標準カードを対象物とともに撮影し、基準画素値とすることで可視光画像、近赤外画像の両方において良好な適正レベル補正が得られている。画像輝度が極端に低い場合を除いて、この目標は達成できたと判断している。 (B)影領域抽出・対応:画像輝度とカメラの受光素子への露光量との関係を用いて最低輝度閾値を算出できたので、達成できている。ただし、カメラ画像のガンマ値依存性については、引き続き検討中である。 (C)NDVI推定:推定精度は、相対誤差率20%程度から5~6%程度までに高精度化ができている。ただし、種々の事前に予想できていなかった要素のために、相対誤差率の揺動がみられるケースがあり,検討を続けている。
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Strategy for Future Research Activity |
(D)NDVI以外の植生指標の試み:現在のところ、NDVI以外の指標に取り組んでいない。実質的な標準植生指標であるNDVIを対象とすることが現実的と判断している。 (E)複数のデジタルカメラ特性測定:現在までに2~3種類のコンパクトデジタルカメラの結果を比較検討してきた。今後は、スマートフォン、タブレット付属のカメラに取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
植生指標推定において異常高領域の出現の対応方法を検討する中で、出力画像のガンマ値依存性を考慮する必要が出てきたため、Webデータベース化の作業を最終段階にすべきと判断したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
Webデータベースに組み込む項目に地理情報を付与するので、現在使用中のデジタルカメラに加え、GPS情報を画像とともに記録できるデジタルカメラおよび、いくつかのタブレット、スマートフォンを購入し、必要なデータの蓄積を継続する予定。
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