2016 Fiscal Year Research-status Report
農業支援システム構築に向けた同期走査式葉色センサによる生体情報取得
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26450368
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Research Institution | Tsuruoka National College of Technology |
Principal Investigator |
神田 和也 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00390401)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 農業情報 / センシング / プロタイプ設計製作 |
Outline of Annual Research Achievements |
農産物の安全・安心・品質保証,新規就農者創出のため,ICTを利用する農業支援システムの研究が盛んである.農業用ICT機器により気象,土壌や画像データなど農産物の環境情報は取得できているが,作物の生育状況は熟練就農者の判断に依っており,定量化の研究が進められている. 本研究では,取得・蓄積されたビッグデータの統計解析結果と生育状況とを照合し,施肥,土壌水分調整や収穫時期を教示できるシステムの構築を目指している.生育状況の判断について新たな指標とそれを定量化するセンサの市販品・開発品は,非常に入手困難で,普及可能な装置開発が急がれる.作物により,葉色,葉緑素濃度,茎・葉の大きさなど判断指標も異なり複合的であるが,重要な要素の一つである葉色センサの開発とシステムへの組み込みを目的とする. 本研究は3ヵ年の計画で,現場でリアルタイム計測可能な葉色センサの開発により農業支援システムに構築に寄与し,農業ICTの利活用の実現を図る.研究代表者らの“環境情報収集装置開発並びフィールドスタディによるデータ取得・蓄積・分析”の研究成果と葉色センサによる生育状況データを分析し,農業ICTの利活用を部分的なモデルを構築し確かなものにする.具体的には,(1)試験用ビニールハウスの設置と近赤外分光法による葉色の特徴点抽出と特徴波長LED・PDによる反射・透過データに基づく葉色センサの開発,(2)葉色センサで得られたデータと生育作物生体情報の相関検証とフィールド実験を実施,(3)複数葉色センサを圃場に設置し,取得データと農業作業者ヒアリング情報との照合,(4)葉色センサによるデータと生育環境情報データとの分析,である. 以上の目的に対し,基礎データの取得,プロトタイプ装置の試作を終えており,本年度は論文1報掲載,国際会議1回の発表している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度までに製作の2台の葉色センサおよび市販のSPAD測定器,カラースケールを熟練作業者に使用してもらい,生体情報取得について,「勘と経験」による判断と「葉色センサ」の値を比較し,値の妥当性を評価してもらい評価と共に農作業情報を農業作業者へのヒアリングにより取得し,生育環境情報を統合し,「葉色」という要素に限って,取得情報より熟練農作業スキルを抽出,継承を支援する実用的なシステム・手法を開発できるかを探り,高度な農業技術の次世代継承,農業者への適時的確なアドバイスを提供が可能な「熟練農作業ノウハウの抽出・継承手法の開発」について検討を進める予定にしていたが,1台の試作機製作で止まっており,早急に上記予定を遂行する必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
2台の葉色センサを製作し,圃場に設置し,取得データと農業作業者ヒアリング情報との照合を早急に実施する.具体的には,SPAD測定器,カラースケールを熟練作業者に使用してもらい,生体情報取得について,「勘と経験」による判断と「葉色センサ」の値を比較し,値の妥当性を評価してもらう.評価と共に農作業情報を農業作業者へのヒアリングにより取得し,生育環境情報を統合し,「葉色」という要素に限って,取得情報より熟練農作業スキルを抽出,継承を支援する実用的なシステム・手法を開発できるかを探り,高度な農業技術の次世代継承,農業者への適時的確なアドバイスを提供が可能な「熟練農作業ノウハウの抽出・継承手法の開発」について検討を進め本研究の成果を明確にする.
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Causes of Carryover |
校務他,多忙を極め,研究時間の確保が困難となり研究遂行の想定以上の時間を要した.また,農産物を一定環境で生育する必要があるが,1年目,2年目で安定生育ができず,基礎データ取得に時間を要している.2年目途中で安定生育が可能となり,データ取得を開始したが,装置開発が遅れており,研究スケジュールの見直しを行っている.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
葉色センサの試作機を2台製作および市販のSPAD測定器,カラースケールを熟練作業者に使用してもらい,生体情報取得について,「勘と経験」による判断と「葉色センサ」の値を比較し,値の妥当性を評価してもらう.評価と共に農作業情報を農業作業者へのヒアリングにより取得し,生育環境情報を統合し,「葉色」という要素に限って,取得情報より熟練農作業スキルを抽出,継承を支援する実用的なシステム・手法を開発できるかを探り,高度な農業技術の次世代継承,農業者への適時的確なアドバイスを提供が可能な「熟練農作業ノウハウの抽出・継承手法の開発」について検討を進める.
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