2015 Fiscal Year Research-status Report
インターネット通販の「お客様の声」から探る青果物の消費者ニーズ
Project/Area Number |
26450370
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
竹崎 あかね 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業技術革新工学研究センター・高度作業支援システム研究領域, 上級研究員 (40550520)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 野菜商品レビュー / 形態素解析 / TermExtract / 消費者語彙 / 研究者語彙 |
Outline of Annual Research Achievements |
農産物関連商品レビュー解析の精度向上に資する辞書拡張を効率化するため,消費者が記述した野菜商品レビューに出現する語の特徴を明らかにするとともに,既存ソフトウェアによる網羅的な収集,および研究者語彙の利用可能性を検討した.本研究では形態素解析辞書登録語を一般分野の語とし,未登録語の中に野菜商品レビューに特異的に現れる重要語;ドメイン特有語が含まれると仮定した.代表的な用語抽出モジュールであるTermExtractの重要度スコアに基づきドメイン特有語を選定したところ,その60%が商品の名称;品種・品種群の名称,品物の名称,作物・作物分類の名称,ブランドの名称であった.品種やブランドの名称には,TermExtractでは選定できない,特異的な構成要素を持つ語[例;インカ(名詞);の(助詞);めぐみ(動詞)],一般分野の語,および他品目の品種・ブランド名称と区別できない同表記異義語を認めた.研究者語彙が蓄積する農業研究機関のウェブページでは,ドメイン特有語が示す概念の66%が出現したが,商品の名称,特にブランドの名称の出現割合が有意に低かった.その一方で健康機能性,安全性,商品特性,地名,農法の分類項目では「ドメイン概念語」が示す概念の80%以上が出現した.以上から,野菜商品レビューには,商品の名称,とくにブランドの名称が高出現する特徴があり,解析精度向上にはこれらの語の形態素解析辞書への登録が重要であること,品種・ブランドの名称は,専門用語抽出モジュールや,研究者語彙を利用した収集だけでは不十分であり,同表記異義語を区別するための情報登録も必要であること,健康機能性,安全性,商品特性,地名,農法の名称は研究者語彙を用いた収集が効果的であることを明らかにした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
農産物関連商品レビュー解析の精度向上に資する辞書拡張を効率化するため,消費者が記述した野菜商品レビューに出現する語の特徴を明らかにした。この結果に基づき既存ソースからの効率的語彙収集や、幾つかの手法を組み合わせたレビューからの語彙収集をすることで、解析精度向上のための辞書整備を順調に進めた。
|
Strategy for Future Research Activity |
青果物全体を対象としたレビュー解析に対し、27年度までに構築した言語処理手法、および解析辞書の有効性を検証することで、実用化を目指す。これまでは分析対象カテゴリを品種・ブランド・産地・安全性・健康機能性としたが、購入者の主観に基づく評価(例;味・値段の安さ・見た目)に拡大し、商品レビュー件数の変動要因や語彙の分布差異の要因を解明する。また、レビュー解析により得られた知見は取りまとめて青果物生産者等へ消費者への情報提示や商品開発の際の参考資料として提供する。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額294,221円は研究費を効率的に使用して発生した残額である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は次年度に請求する研究費とあわせて、効率的解析を可能にするデータ管理ツールを購入する予定であり、研究計画遂行のために使用する。
|
Research Products
(1 results)