2016 Fiscal Year Research-status Report
インターネット通販の「お客様の声」から探る青果物の消費者ニーズ
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26450370
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
竹崎 あかね 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業技術革新工学研究センター 高度作業支援システム研究領域, 上級研究員 (40550520)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 野菜商品レビュー / 自然言語処理 / 共起ベクトル |
Outline of Annual Research Achievements |
インターネット通販の野菜商品レビューを対象に以下を実施した。1)文書からの概念抽出精度向上を目的に同義語正規化に資する効率的同義語収集方法を検討した。係り受け関係にある名詞・動詞・形容詞で共起ベクトルを作成し、名詞間の類似度をダイス係数により算出した。類似度により様々な関連語の収集ができたものの、同義語の特定は困難であった。k-means法により類似度に基づく単語クラスタリングを行ったところ、類似度が高い単語群(作物単語群など)に分類でき同義語の選定が容易になった。2)これまで野菜購入者の志向を①品種、②産地、③安全、④健康と仮定し、人手で選定したカテゴリ用語に基づき各野菜品目の志向を解析した。本年度は健康カテゴリに属する用語選定を容易にするため、言語パターンを利用した収集の可能性を検討した。“良い”、“効く”に高頻度で係り受けする名詞、一文単位で“効果”・“ある”、および“対策”に高共起する名詞・動詞・形容詞等を抽出することでカテゴリ用語候補が選定できた。“ダイエット”のように複数パターンで抽出される用語が認められたことから、カテゴリ単語の抽出精度は複数パターンでの頻度を指標とすることで向上すると推測した。3)これまで構築した言語処理基盤を利用して知見抽出を試みた。商品レビューが多い「セット野菜」の低評価レビューは、高評価レビューと比較して量の少なさ、味の悪さ、鮮度の低さ、店の対応の悪さを表現する単語セットが有意に高く、種類の多さを表現する単語セットの出現数が有意に少ない等の特徴があり評価が低い要因と判断した。また安全カテゴリ用語が多く出現したニンジンでは野菜全体レビューと比較して“ジュース”の出現数が有意に高くジュース用途での購入が多いと推測した。ジュース用途でのニンジン購入は直売所等でのアンケート結果では少なかったことからネット通販特有と推測した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで野菜レビュー解析により野菜購入者の志向を分析したが、野菜生産者等の参考資料となるような知見のとりまとめが完了していない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで野菜レビュー解析により野菜購入者の志向を分析したが、野菜生産者等の参考資料となるような知見のとりまとめが完了しておらず、来年度実施する。また、農作物マーケティング研究者から知見抽出の要望があったレシピーデータを新たに用いて、開発した解析手法の評価を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額708,417円は研究費を効率的に使用して発生した残額である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、学会参加や投稿など研究成果公表のための費用として使用する。
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