2015 Fiscal Year Research-status Report
動物介在療法領域に用いる日本在来馬の行動学的・運動生理学的特長に関する研究
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26450393
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
松浦 晶央 北里大学, 獣医学部, 准教授 (50406899)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本在来馬 / アニマルウェルフェア / ストレス / 最大許容負荷重量 / 乗用馬 / 馬車 / 加速度計 / コルチゾール |
Outline of Annual Research Achievements |
日本在来馬における駆歩時の最大許容負荷重量を把握するための解析方法を確立することができた。北海道和種馬2頭を対象として、調馬策運動にて0 kg、60 kg、および100 kgの負荷を課して画像解析法と加速度法の2方法で同時測定を行ったところ、2方法間に有意な相関が得られた。今後は迅速解析が可能な加速度法のみで評価をおこなうこととした。また、これまで周波数解析を応用して振動の規則性から評価を行っていたが、これに加えて、駆歩時の運歩間隔を基にした評価系を確立することもできた。今後は両評価系から駆歩時における最大許容負荷重量を把握するできることとなった。 ヨナグニウマにおける駆歩時の最大許容負荷重量を測定するための予備測定を与那国島のヨナグニウマふれあい広場および石垣島の石垣島馬広場にておこなった。ここでは、調馬策運動で駆歩を無理なく持続できる個体を把握し、これらの馬体測定を行った。その結果、12頭のウマを候補個体として選抜することができた。 日本在来馬は小型馬に分類されるが、小型馬の新たな活用法を見出すため、馬車利用時における小型馬のストレス評価を行った。馬車ウマの調教に習熟したトレーナーが、これまで全く馬車調教を受けたことがない4頭の小型馬に対して、馬具への馴致、車に曳かれることへの馴致、ロープへの馴致、馬車への馴致、馬車曳き運動、車のすれ違い、駈歩運動の各段階をこの順に調教した。各調教段階をビデオ撮影し、行動観察によってストレスに関係する行動をカウントし、各調教段階の前後に採血し、EIA法によって血漿中コルチゾール濃度を分析した。同様に各調教段階の前後で聴診により心拍数を測定した。さらに、全調教過程が終了した後、常歩、速歩、駆歩の歩法で予め決められたコース上を決められた動作で通過し、その際の行動をビデオ画像から解析した。結果は現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主な目的は1)ウマが正常な歩法を維持できる騎乗者の適正体重と2)ホーストレッキング時の種々のストレッサーに対するストレス応答の把握である。1)については手法が確立でき、ヨナグニウマでの予備測定も完了しているため、ヨナグニウマと対州馬での本測定を残すのみとなっている。2)については昨年度にヨナグニウマでの測定を終え、現在対州馬の測定を計画中である。
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Strategy for Future Research Activity |
ヨナグニウマにおける駆歩時の最大許容負荷重量を決定したのち、対州馬における最大許容負荷重量を把握するための測定をおこなう。また、対州馬ではホーストレッキング時のストレス応答を測定する。それと同時に、これまで得られた結果を学会や学術誌に公表する。
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Causes of Carryover |
年度末に学会発表があり、当該年度中に精算できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会発表のための旅費に充てる。
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Research Products
(4 results)