2015 Fiscal Year Research-status Report
肥満犬猫における脂質過酸化マーカーの診断的意義に関する研究
Project/Area Number |
26450435
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
森 伸子 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 研究員 (10644536)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 抗脂質過酸化酵素 / 脂質過酸化先生物 / 肥満犬猫 / 蓄積脂質の質的評価 / リポ蛋白質の細分画 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今、犬や猫の肥満が増加している。現在の臨床現場における肥満・高脂血症の評価指標は体重や脂質の量的評価がほとんどである。そこで、蓄積脂質の質的評価を目的とし、リポ蛋白質分画のさらなる細分化と内因性の抗脂質過酸化酵素、脂質過酸化生成物、アディポカイン、サイトカインの変化を検証し、真の病的肥満・高脂血症を評価する研究を開始した。
27年度に関しては、アテローム性動脈硬化の重要因子である犬猫の酸化LDLを測定し、BCSとの関連性を検証した論文がFrontiers in Veterinary Science Animal Nutrition and Metabolism にアクセプトされ、掲載された(27年9月)。また日本における約200頭の猫(肥満・健常)のアディポカインやサイトカインを測定・検証した。BCSにより、高遊離脂肪酸を伴う高コレステロール・高トリグリセリド血症につながる可能性が高いこと、雄は雌よりも高インスリン値と低アディポネクチン値を示し、より肥満傾向が高いことをまとめた論文をTurkish Journal of Veterinary and Animal Sciencesに投稿し、審査中である。 現在、約40頭の犬猫の血漿をHPLCを用いて、20分画のリポ蛋白質に細分化し、HDLサブクラスにおける抗脂質過酸化酵素PON-1(HDLの作用良性あるいは不良を見極める有力マーカー)との関連性を分析・検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
犬猫の血中酸化LDLに関しては原著論文がアクセプト、掲載され、猫の肥満に伴うアディポカインについての原著論文も投稿中ではあるが、20分画のリポ蛋白質サブクラスとPON-1の分析に関しては、データ解析に時間がかかっており、当初の予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
リポ蛋白質サブクラスとPON-1のデータ解析を28年7月までに目処をつけ、秋には結果を論文にまとめ、投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
雑誌への投稿掲載費用が抑えらたこととが上げられる。また、政情不安もあり国際学会への参加を見合わせ、国内学会参加としたことも、一つの要因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
該当年度に関しては、論文発表が中心だったので、本年度は口頭並びにポスター発表の場(学会参加)を多く儲けたいと考えている。併せて、現在データ分析に時間がかかっているので、処理に適したソフトウエアやパソコンを入手し、進行を早めたいと考えている。
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Research Products
(8 results)