2014 Fiscal Year Research-status Report
伴侶動物のDNA二本鎖切断修復の分子機構に基づく新しい放射線増感剤の開発基盤研究
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26450438
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
小池 亜紀 独立行政法人放射線医学総合研究所, 放射線防護研究センター, 技術員 (50415410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 学 独立行政法人放射線医学総合研究所, 放射線防護研究センター, 主任研究員 (70280740)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放射線 / NHEJ / 伴侶動物 / 像管財 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトのNHEJ機構で働くコア修復蛋白質として、Ku70,Ku80,XLF,XRCC4,Lig IV, DNA-PKcs, Artemisが報告されている。また、Ku80のスプライシングバリアントとして、KARP-1が報告されている。他方、(1)Artemisはプロセッシングが必要な極一部の損傷修復のみに関与する、(2)Lig IVはXRCC4により発現量が調節されるので、Lig IV欠損細胞とXRCC4欠損細胞の表現系は酷似している、(3)イヌDNA-PKcsは既に配列が決定されている、(4)KARP-1はイヌゲノムにコードされていない。従って、伴侶動物のNHEJ機構を標的とする新しい放射線増感剤開発の基盤を構築するために、イヌのNHEJ機構で働くと予想される遺伝子の中からKu70, Ku80, XLF, XRCC4遺伝子に注目し、基礎情報の収集と分析を行ない、それら遺伝子のクローニングを開始した。また、イヌのNHEJ蛋白質の特異抗体の作製と細胞内局在制御機構の解析を開始した。さらに、新たに同定されたNHEJ候補遺伝子がNHEJ機構の活性を制御している可能性が示唆されているので、これについても検討を開始した。本年度は、Ku80に対する抗体の作成や発現遺伝子plasmidの構築等も含めて、ほぼ計画通りに進んだ。尚、イヌがん細胞を材料とする実験は細胞株の入手ができなかったので遅れているが、次年度以降に開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イヌがん細胞を材料とする実験は細胞株の入手ができなかったのでやや遅れているが、その他についてはKu80に対する抗体の作成や発現遺伝子plasmidの構築等も含めて、ほぼ計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は26年度から進めている実験や本年度からの予定になっている研究を計画に沿って進める。さらに平成26年度に遅れを生じたイヌがん細胞を利用する実験等について研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
イヌがん細胞を材料とする実験は細胞株の入手ができなかったのでやや遅れた。そのため、繰り越した研究費はその分の研究を次年度に実施するために使用する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は計画に沿って、使用する予定である。なお、繰り越した分は平成26年度に遅れを生じたイヌがん細胞を利用する実験等を進めるために使用する予定である。
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