2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26450448
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松下 操 東海大学, 工学部, 教授 (00165812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅沼 秀樹 国立感染症研究所, インフルエンザウイルス研究センター, 室長 (40333570)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ニワトリ血清タンパク質 / アミノ酸配列 / 精製 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は最近ニワトリ血清中よりスカベンジャー受容体システインリッチ(SRCR)ドメインを有する新規タンパク質(CS120)を発見した。本研究は、CS120の構造と機能の解明を目的とし、2014年度は以下の研究成果を得た。 (1) ニワトリの卵白には SRCRドメインを持つタンパク質のEW135が存在する。EW135は輸卵管で産生されるが、RT-PCRの結果から肝臓でEW135と類似構造を持つタンパク質が産生されており、これがCS120と推定された。そこでニワトリ肝臓のcDNAを鋳型にして、EW135cDNAの塩基配列を基に設計したプライマーを用いてPCRを行った。その結果、約2.5kbpのPCR産物が得られた。そのうち1613塩基の配列をシーケンスしてアミノ酸に翻訳したところ、SRCRドメインが複数存在することが判明した。 (2) CS120の簡便な精製法としてEW135に対する抗体を用いるアフィニティクロマトグラフィー法を開発した。ニワトリ血清を抗EW135-Sepharoseカラムにアプライ後、緩衝液でカラムを洗浄し、酸性の緩衝液(グリシン-塩酸緩衝液)を用いることにより純度の高いCS120が溶出した。CS120はカルシウムイオン存在下黄色ブドウ球菌とプロテインAに結合することが確認された。 (3)インフルエンザウイルスに対するCS120の効果を以下の通り検討した。インフルエンザウイルスとCS120を混合してMDCK細胞に加えて培養し形成するプラーク数を検討したところ、対照群と比較して顕著な減少は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的の一つであるCS120の一次構造の解明にはCS120のcDNAを得る必要があるが、設計したプライマーを用いてPCRを行ったところ、予想通りにCS120のcDNAの一部が得られた。これにより、今後のcDNAクローニングの見通しが立ったと言える。また、CS120の簡便な精製法が確立されたことは、今後のCS120の機能解析を進める上で重要な成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
PCRによりCS120のcDNAの一部が得られたことから、今後は、これをベクターに導入後クローニングを行い全塩基配列を決定する。その後、RACE法等により残りの5’側と3’側の塩基配列を決定して最終的にCS120の一次構造を明らかにする。一方、ニワトリ血清より精製したCS120を用いて抗菌活性等の機能を検討する。
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Causes of Carryover |
設備備品費で購入を計画していた機器を購入しなかった為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ヨーロッパ獣医免疫学会において研究成果を発表する予定であり、その為の費用(外国旅費)と消耗品に使用する。
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Research Products
(2 results)