2016 Fiscal Year Annual Research Report
Innate immue response through glycolipids by adenovirus-vector
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26450450
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
岡本 まり子 麻布大学, 獣医学部, 講師 (30415111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 輝雄 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (60151297)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アデノウイルスベクター / 糖脂質 / 自然免疫 / 炎症性サイトカイン / 遺伝子治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度はガングリオシド系列のスフィンゴ糖脂質の合成が欠損した樹状細胞のアデノウイルスベクター作用時の炎症性サイトカイン産生能の解析を中心に行った。 St3gal5はラクトシルセラミドからGM3を合成する酵素である(以下GM3Sとする)野生型マウスおよびGM3S遺伝子ノックアウト(KO)マウスより骨髄細胞を採取し、in vitroで樹状細胞に分化させた(以下BMDC)とする。分化効率は野生型マウスおよびGM3S遺伝子KO両者で大きな差は見られなかった。BMDCにアデノウイルスベクターを作用させ、まず遺伝子導入効率を調べたが、両者で大きな差は見られなかった。アデノウイルスベクター作用による炎症性サイトカイン産生について調べたところ、GM3S遺伝子KOマウスのほうが、野生型マウスに比べて高いサイトカイン産生能を示した。これは前年度以前に行った腹腔マクロファージにアデノウイルスベクター作用させたときのサイトカイン産生のパターンと同様であることが初めて示された。 B4galntはラクトシルセラミドからGA2を、GM3, GD3からそれぞれGM2, GD2を合成する酵素である(以下GalNacTとする)野生型マウスおよびGalNacT遺伝子KOマウス由来のBMDCについて解析したところ、GalNacT遺伝子KOマウスでBMDCへの分化率が亢進した。アデノウイルスベクター作用による炎症性サイトカイン産生について調べたところ、GalNacT遺伝子KOマウスのほうが高いサイトカイン産生能を示した。これはGM3S遺伝子KOマウスでの結果と同様であり、これらをあわせ考えると、GM3あるいはGD3の下流の合成経路に属する糖脂質が細胞膜へ正常に分布していることが炎症性サイトカイン産生制御に重要であることが示唆された。
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