2015 Fiscal Year Research-status Report
マウス精子幹細胞・分化細胞の運動パターンと制御因子の解明
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26450453
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原 健士朗 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60551546)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 精子幹細胞 / 細胞運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、恒常的なほ乳動物の精子形成を支える精子幹細胞並びに分化細胞の運動パターンと制御因子の解明を目指すものである。この目的のために、インビボライブイメージングによって幹細胞・分化細胞の運動の性質を解明すること、さらにミュータントマウス並びにインビトロ細胞培養系を用いて精子幹細胞および分化細胞の運動をそれぞれ制御する候補因子を特定する実験を計画している。本年度は、昨年度の成果として得られたGFRα1-GFP陽性およびNgn3-GFP陽性細胞のライブイメージング画像を材料として、各細胞の経時的座標情報を抽出後、動きの性質に関する統計学的解析を行った。その結果、GFRα1を発現する精子幹細胞が拡散運動していること、同細胞は合胞体が伸長するにつれて拡散係数が小さくなること、同細胞がNgn3陽性細胞に変化すると拡散係数が小さくなること、Ngn3陽性細胞がさらに分化すると動きのパターンが変化し方向性を持って超拡散すること、を示唆する結果を得た。以上の結果は、細胞の分化状態の違いによって、拡散タイプと拡散係数によって特徴づけられる動きのパターン変化が起こっていることを意味しており、同じ基底膜環境に居る精子幹細胞と分化細胞がどのような制御を受けて運動変化を達成するのかという新たな問いが生まれた。当初の研究計画のうち、初めの目的を達成することが出来たため、これまでの研究は予定通りに進捗しているものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞の動きの統計学的解析について予定通りに進展している。また、次年度に計画しているミュータントマウスの解析についても既に解析を進めており、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ミュータントマウスを用いて、単一細胞の運動能を解析し、単一細胞レベルの運動能と合胞体構造形成による動きの拘束を分解して理解することを試みる。また、細胞運動制御が予測される因子について、組織内の発現パターン解析およびインビトロでの機能阻害実験を行い、運動制御因子の絞り込みを行う。
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Causes of Carryover |
研究の進捗により、経費を多く必要としない統計学的解析を、経費を必要とする実験に先行して進めたため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
細胞運動制御因子の探索のため、インビトロ機能阻害実験および分子の組織内分布を解析する実験に用いる。
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Research Products
(2 results)