2014 Fiscal Year Research-status Report
B.thuringiensis Cry44Aaトキシンのカ類殺虫活性機構の解明
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26450463
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浅野 眞一郎 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60222585)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Cry44Aaトキシン / イエカ / シマカ / 殺虫剤抵抗性 / レセプター |
Outline of Annual Research Achievements |
イエカやシマカに対する殺虫活性については、israelensis株由来のcry4Aa, cry4Ba, cry10Aa, cry11Aa,cyt1Aa遺伝子と当該研究室で発見されたcry39Aa,cry44Aa遺伝子を発現させそれらの殺虫活性の強さを比較することにより、これらの中でどのcry遺伝子がイエカやシマカに強い殺虫活性を有するのかを明らかにした。 イエカやシマカについては、化学殺虫剤や微生物農薬資材であるスフェリカス製剤、israelensis株由来のcry11Aa遺伝子に対する抵抗性蚊の出現が、タイやマレーシア等の東南アジア各国や中国で報告されており、当該研究室でもcry11Aa遺伝子のスクリーニングを通して抵抗性蚊の作出ならびに抵抗性蚊継代維持を試みたが抵抗性蚊の作出には至らなかった。また、化学殺虫剤抵抗性蚊を継代管理している国内外の研究者と連絡をとり、抵抗性蚊を入手してBt製剤抵抗性スクリーニングを行ったがBt抵抗性蚊の作出には至らなかった。 化学殺虫剤抵抗性蚊のトキシンプロセッシングやレセプター分子の機能解析を行うことで、感受性蚊と抵抗性蚊における中腸での作用機構や分子遺伝的な違いを、網羅的解析で検討したがプロセッシング様式やレセプター分子において抵抗性蚊と感受性蚊において明らかな違いが見受けられなかった。 これらのことにより得られた情報をもとに、イエカやシマカのゲノム解析により得られた情報と合わせることで、各蚊殺虫性Cryトキシンのイエカやシマカにおけるレセプター候補分子の遺伝子をクローニング・機能解析を行い、蚊特異殺虫活性機構・抵抗性獲得機構の解明を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
化学殺虫剤抵抗性蚊(チカイエカ・ヒトスジシマカ)を入手してBt抵抗性蚊の作出を試みたが、これらの蚊に対しては抵抗性を獲得させることが出来なかったが、これらの抵抗性蚊に対しても、cry44Aaトキシンは非常に強い殺虫活性を有していることが明らかとなった。 既に報告されているcry11Aaトキシンに対して抵抗性を有するイエカやシマカとは殺虫活性機構が、cry44Aaトキシンはイエカやシマカでは異なっていることが明らかになったので、レセプター分子の同定を含めた殺虫活性機構の解明に着手する事にした。 Bt抵抗性蚊のスクリーニングは出来なかったが、抵抗性蚊をコントロールする事はこの方向性で可能であると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
化学殺虫剤抵抗性蚊(シマカ・イエカ)についてBt製剤に対する感受性を調査してきたが、Cryトキシンに対する抵抗性を獲得することは出来なかった。 抵抗性を獲得させることが出来ないことから、Cry11Aaトキシン抵抗性を獲得した蚊の殺虫活性機構とCry44Aaトキシン殺虫活性機構を比較することで、Bt抵抗性の出現しないもしくはしにくい防除体系の確立を目指して研究を進めていくという方針に、転換していきたいと考えている。
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Research Products
(5 results)