2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the monitoring method for identification of high risk areas of vector-borne infectious diseases in Japan
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26450484
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
佐藤 雪太 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (40271762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 浩一 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (00339285)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ベクター媒介性感染症 / 鳥類血液寄生原虫 / フィラリア / モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
28年度は、定点調査地としての本学付属農場・演習林における鳥類血液寄生原虫の分布、国内動物園に生息する蚊における犬糸状虫保有状況を中心に調査した。 本学農場・演習林で捕集した蚊および野鳥から、原虫DNAの検出および分子系統を解析した。また、関東の動物園内で捕集した蚊からDNAを抽出してフィラリア線虫DNAおよび脊椎動物DNAの検出を試みた。 その結果、農場・演習林で捕集された蚊11種2,020頭中、アカイエカ(23/855;2.7%)およびトラフカクイカ(1/4;25%)から鳥マラリア原虫DNAが検出された。捕獲野鳥16種151個体中11種70頭(46.4%)からも原虫DNAが検出された。中でもシジュウカラで鳥マラリア原虫の保有率が高く(78.1%、25/32)、アカイエカから検出された系統と一致した。よって、本農場・演習林では主にシジュウカラとアカイエカとの間で鳥マラリア感染が維持されていると考えられた。 また、動物園内のアカイエカおよびヤマトヤブカから犬糸状虫DNAおよび園内の飼育下鳥類および哺乳類、施設周辺に生息する動物のDNAが増幅された。 以上のように、28年度は定点観測が可能な農場・演習林における鳥類血液寄生原虫の分布状況に加え、国内で不明だった犬糸状虫のベクターにおける保有状況も明らかとなった。 26~28年度の研究により、国内各地における鳥マラリア原虫などのベクター媒介性病原体の分布状況が明らかになり、大学演習林や野鳥保護施設など、継続的にサンプリング可能な地域や施設が選定された。また、これらのフィールドにおける宿主鳥類やベクターの捕獲手法や病原体検出手法が確立されたことにより、今後のベクター媒介性感染症の分布状況のモニタリングや感染リスク評価のために必要な知見が得られると期待される。
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Remarks |
本研究課題も含む一連の研究成果が評価されたことによる受賞
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