2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel cyclization reactions via formation of ruthenacycle intermediate and their application to organic synthesis
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26460002
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
齋藤 望 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (80349258)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 環化反応 / ルテニウム / メタラサイクル / アレン / アルキン / 環状化合物 / 天然物合成 / アルカロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
低原子価ルテニウム触媒とアレン及びアルキンから形成されるルテナシクロペンテン中間体を経由する環化反応の開発とその有機合成への応用に関する研究を進めてきた。平成27年度までは主に0価ルテニウム錯体を用いて、配位子の電子的性質の違いによるルテナサイクル形成の制御に関して検討を行ってきた。その結果、電子豊富なリン配位子と電子不足のリン配位子を使い分けることにより、生成するルテナサイクルの選択性が変化することを明らかにしてきた。最終年度である平成28年度は当初の研究の目的に従い、ルテナサイクルを経由する環化反応を利用したアルカロイド系天然有機化合物の全合成研究を進めた。ターゲットとして抗菌活性を有する(+)-Welwitindolinone A isonitrle(1)を選択した。1はビシクロ[4.2.0]オクテン環とインドリノンがスピロ結合したユニークな構造を有しており、代表者らは1に含まれるビシクロ[4.2.0]オクテン環をルテナしサイクルを経由するアレンとアルキンの[2+2]環化反応で構築した後、官能基変換により既に全合成を報告しているWoodらの中間体へと導くことにした。環化前駆体となる1,7-アレンイン誘導体はマロン酸誘導体とアレン部分のパラジウム触媒によるTsuji-Trost型を経由して合成した。さらにプロパルギル位に酸素官能基を導入し、環化前駆体(2)とした。その後の検討の結果、2を基質とした[2+2]環化反応が円滑に進行するためには、プロパルギル位の保護基が重要であることが明らかになった。すなわち、水酸基に保護基を導入しない基質において目的とするビシクロオクテン誘導体が高収率で得られることがわかった。引き続きWoodの中間体への変換を検討している。
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Research Products
(9 results)