2016 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of practical determination method of absolute configuration based on induced circular dichroism and quantum chemical approach to elucidation of its origin
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26460019
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
細井 信造 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (60209236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 正行 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (20239982)
勝本 之晶 福岡大学, 理学部, 准教授 (90351741)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 絶対配置決定 / 誘起円二色性 / ビナフチル / ステロイド / 発色団 / デカリン / 立体選択的合成 / キラリティー |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、新規ビナフチル型CD発色試薬を用いた絶対配置決定法を開発し、これまでにいくつかの生物活性天然物に適用し、その有用性を確認している。その中でステロール類の3位水酸基の絶対配置決定において、17位側鎖はCDスペクトルに影響を与えないが、5-6位二重結合は影響を及ぼすことが分かっている。そこで、ステロイド構造中の10-メチルビシクロ[4.4.0]デカン-3-オール部分が本法における必須構造要件であると仮定し、モデル基質としてA,B環に相当する計12種の1,2,3,4,4a,5,6,7-octahydro-4a-methyl-およびdecahydro-4a-methyl-2-naphthalenolを光学活性体として合成し、それらのビナフチル誘導体のCDスペクトルの挙動について検討した。 その結果、以下のことが明らかとなった。 1)6種のdecahydro-4a-methyl-2-naphthalenol類においては予想通り、2位S体は正の、R体は負のキラリティーが観測されたが、他の2種においては逆のキラリティーが観測された。 2)5-6位二重結合を有する4種のoctahydro-4a-methylnaphthalene-2-ol類においては、明確な分裂型CDを示さず、複雑なCDスペクトルを与えた。 今後は、今回合成したすべての誘導体について、量子化学計算を行い、構造のCDスペクトルに及ぼす影響について詳細に分析する予定である。
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