2014 Fiscal Year Research-status Report
分子内不斉転写反応による1位置換テトラヒドロイソキノリンアルカロイドの合成
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26460020
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
河井 伸之 武庫川女子大学, 薬学部, 講師 (10411034)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | テトラドロイソキノリン / 不斉転写 / 過塩素酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
1位と8位に置換基を有するテトラヒドロイソキノリンは、1位に不斉炭素を有する。これらの光学活性体としての合成方法は、数例のみ報告されているにすぎない。 一方、申請者は、これまでにビスマストリフラートを触媒とした不斉転写を介した環化反応による1位にアルケニル基を有するテトラヒドロイソキノリンを光学活性体として合成する方法を開発した。本反応は、6位, 7位に炭素及び酸素官能基を有する1位アルケニルテトラヒドロイソキノリンの合成に適応が可能であるが、8位置換体の合成には光学純度を大きく損なうことがわかった。 ビスマストリフラートに置き換わる触媒を検討した結果、スルホン酸などいくつかのブレンステッド酸が同等の効果をもたらすことを見出した。その中でも、最も反応性の高い過塩素酸を触媒として、8位に炭素及び酸素官能基を有する原料に対する環化反応を精査した。その結果、酸素官能基としては水酸基をピバロイルエステルへ誘導することで、93:7の比率で片方の光学活性体を選択的に合成できることがわかった。 さらに、天然物Schulzeineの合成へ適応させるために、6位と8位に酸素官能基を有する1位アルケニルテトラヒドロイソキノリンを93:7の選択性で構築できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画は、すでに達成できた。 鍵となる環化反応の触媒スクリーニング時に、幾つかのブレンステッド酸が有効に機能することを見出しているが、今後なぜ上手く行ったのかを実験を通して明らかにする必要があると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
天然物Schulzeineの部分合成を達成することを、最優先にする。 研究過程で発見した過塩素酸などのブレンステッド酸がなぜ不斉転写をおこすことができたのか、前例の全くないこの結果を追求する必要があり研究課題とする。
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