2014 Fiscal Year Research-status Report
不飽和カルボニルへの共役付加と酸化還元を鍵とするドミノ型結合形成反応
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26460021
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
山本 康友 同志社女子大学, 薬学部, 助教 (10452278)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 連続反応 / 多結合一挙形成 / 酸化 / 還元 |
Outline of Annual Research Achievements |
不飽和カルボニル系への共役付加反応と酸化還元反応を組み合わせたドミノ型結合形成反応の開発を目的とする。有機金属に代表されるアニオン種がα,β-不飽和カルボニルへ共役付加すると求核的なエノラートを与えるため、求電子剤とさらに反応させれば複数の結合を一挙に形成できる。一方でラジカル種が不飽和カルボニルへ共役付加した場合は求電子的なラジカルが生じ、ビニルエーテル等の電子豊富オレフィンとさらに反応できる。求核的エノラートと求電子的ラジカルが酸化還元により相互変換可能であれば、結合形成反応の度に生じる新たな活性種を所望の基質と反応させることができる。①不飽和カルボニルへの共役付加、②酸化還元による極性転換、③生じた活性種の付加反応、をカスケード化して、多結合・多不斉点一挙構築へと展開する。 平成26年度はキラル配位子制御によるα,β-不飽和エステルへの不斉Aza-Michael反応を開始反応とした連続反応の開発に取り組んだ。すなわち、窒素上にアリル基を有するリチウムアミドを不飽和エステルに不斉共役付加させ、生じたリチウムエノラートに亜鉛塩を加えると、エノラートが分子内オレフィンに付加し、良好な収率、立体選択性で環化体を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した、リチウムアミドの不斉Aza-Michael付加反応を開始反応とする連続反応を開発した。不飽和カルボニルへの共役付加を契機とした連続反応、という本研究課題の基盤を確立できたため、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 有機リチウムの共役付加で生じたエノラートを酸化して求電子的ラジカルを生成させ、連続的にオレフィンで捕捉するワンポット多結合形成を検討する。共役付加の不斉化による多不斉点の一挙構築も検討する。 2. 有機リチウムのイミンへの付加から始まるタンデム環化反応を開発する。イミンへの付加反応で生じるリチウムアミドを酸化して窒素ラジカルを生成させ、これを分子内のオレフィンで捕捉する。 3. 平成26年度に開発した、リチウムアミドの不斉共役付加-環化連続反応の基質一般性について検討し、天然物合成への応用を行う。
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Causes of Carryover |
物品費を他の研究費から充足できたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬等の消耗品に充てる
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