2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an efficient inhibitor of green-algal morphogenesis inducer
Project/Area Number |
26460026
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
山本 博文 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (70461366)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 防藻剤 / グリーンタイド / 蛍光標識物質 / 不斉合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
報告者は、緑藻類成長促進因子(サルーシン)に着目し、その構造をミミックした類似体を化学合成することで、第三の水質汚染とよばれるグリーンタイド(藻類が爆発的に増殖する現象)を抑制する新規防藻剤の開発に取り組んできた。そして、平成27年度までに、藻類成長因子に拮抗する効果的なサルーシン阻害剤を見出し、その不斉合成(99%ee)に成功した。最終年度に相当する昨年度28年度は、見出したサルーシン阻害剤(防藻剤候補化合物)の作用をより詳細に解析するため、主に、その蛍光標識化合物の合成研究を行った。その成果として、塩析効果の強い海水中においても十分な溶解性と安定性を示す蛍光標識剤(ラベリング化合物)の絞り込みに成功し、それを光学活性なサルーシン阻害剤に導入し、蛍光標識化した。今後、この合成した蛍光標識体を分子ツールとして活用することで、未だ明らかにされていないグリーンタイドの発生メカニズムや緑藻類の生活環を正確に分析、追跡することができる。近い将来、画期的な防藻剤が開発されることを期待すると共に、新たに見出したサルーシン拮抗剤を有用な防藻剤として実応用するため、本研究を継続する。
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Research Products
(1 results)