2016 Fiscal Year Annual Research Report
Total Synthesis of (+)-ascospiroketals A,B and Determination of there Absolute Configurations
Project/Area Number |
26460028
|
Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
江角 朋之 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (50315264)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ascospiroketal / asymmetric / synthesis / natural product / polyketide / 1,4-addition / aldol reaction / beta-lactone |
Outline of Annual Research Achievements |
(+)-Ascospiroketal A,B は phosphatase B 阻害活性を指標にした抗結核作用物質探索の過程で Axcohyta salicorniae の培養液から見いだされた海洋性ポリケチドである. これらは全部でテトラアルキル不斉四級炭素を含む8個の不斉炭素を有し, スピロケタールを含む三環性骨格にヘプタ-4,6-ジエン-2-オール側鎖が連結し,その水酸基部分は 2-メチル-3-ヒドロキシ酪酸が縮合した特異な構造を有している. \立体配置に関しては 2, 3, 4, 6, 9位の相対配置は明らかにされたものの, 15, 2’, 3’位に関しては相対配置さえ明らかになっていなかった. そこで,我々が独自に開発した不斉 1, 4-付加反応と不斉アルドール反応を鍵としたルートで(+)-Ascospiroketal B のエナンチオ選択的全合成を行い,天然物と比較することで,その絶対配置を決定すると同時に活性評価に必要な試料の量的供給を行うことを目的に本研究を企図した. その結果,1,4-ブテンジオールを出発物質とし, 8 段階で α,β-不飽和カルボン酸誘導体へと変換後, (R)-フェニルオキサゾリジノンと縮合させ, ジビニル銅(Ⅰ)試薬で処理して望む1, 4-付加体を高ジアステレオ選択的(95:5)に得た. さらに, 得られた付加体をSHMDS で処理した後, 蒸留アセトアルデヒドと反応させたところ, 予想通り,β-ラクトンが単一の立体異性体として得られた. これで, 2 位テトラアルキル 4 級炭素を含む三連続不斉の導入ができたことになる. 続いてメチル基の導入, オレフィンの酸化開裂/δ-ラクトン形成および PCC 酸化により, メチルケトン体へと誘導した.これにより,(+)-Ascospiroketal B の A 環形成と環状の不斉導入が完了した.
|
Research Products
(1 results)