2014 Fiscal Year Research-status Report
消光性リン酸基結合タグ分子を用いたリン酸化シグナルの定量解析法
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26460036
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小池 透 広島大学, 医歯薬保健学研究院(薬), 教授 (90186586)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プロテオミクス / リン酸化 / 亜鉛化合物 / 蛍光分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,ナノモル濃度のリン酸化分子を選択的に捕捉するオリジナルな消光性リン酸基結合タグ分子(消光性フォスタグ)を用いたリン酸化シグナルの定量解析法の開発である。その研究手法は,従来のリン酸化分子の分析法(放射性リン同位体法,抗リン酸化抗体法,リン酸基親和性単核金属錯体法)と比較して,より網羅的なリン酸化シグナルの高精度な定量解析を可能にし,簡便な操作性や安全性などの利点をもち,癌やアルツハイマーなどの治療薬や診断法の開発に役立つ新しい分析技術である。平成26年度は,ダブシル基を水溶性の高いスペーサー(ジアミノトリエチレングリコールなど)とアミド結合でつないだ新規消光性フォスタグを複数合成し,それらとリン酸化蛍光基質との溶液内相互作用(溶液内化学種の安定性,消光率,添加物の作用,酵素反応検出条件,リアルタイム定量解析を目的とした時間分解反応測定条件検討など)を詳細に調べるとともに,新規リン酸化シグナルの定量解析法としての利用を検討した。その結果,実用化可能なアルカリフォスファターゼの活性測定と酵素阻害剤の簡便なプロファイリン法を開発した。それらの成果を,英文の原著論文として発表することができた。平成27年度も当初研究計画にしたがって実用的なリン酸化シグナルの定量解析法の開発を継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画にしたがって順調に研究成果が得られた。新規の消光性フォスタグ誘導体を2種類合成し,それらを使ったリン酸化シグナルの定量解析法のプロトコルを作成できている。英文の学術雑誌(原著論文)にそれらの成果を公開した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画にしたがって,アガロースビーズに固定化した消光性フォスタグ誘導体の開発や消光性官能基を有するフォスファターゼ基質やキナーゼ基質を合成する。それらを用いて,簡便かつ定量性の高いリン酸化シグナル解析法の開発を進める。
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Causes of Carryover |
残額より高額の研究用消耗品を平成27年度の予算と合わせて購入予定のため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究用消耗品の購入に充当する。
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Research Products
(4 results)