2016 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of in silico pharmaceutical product design based on CAE simulation
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26460047
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
高山 幸三 星薬科大学, 薬学部, 教授 (00130758)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | CAEシミュレーション / 有限要素法 / 割線錠 / 弾性連続体 / 分割強度 / 分割均一性 / 破壊強度 / 割線深度 |
Outline of Annual Research Achievements |
CAEシミュレーションにより外力負荷に伴って錠剤内に発生する応力を推定し、分割強度、分割均一性及び破壊強度との関係を精査した。ラクトース(LAC)、コーンスターチ(CS)、結晶セルロース(MCC)の3成分の配合比が異なる混合粉末に、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンを添加し、湿式法により顆粒を製した。これにステアリン酸マグネシウムを加えて混合し、打錠圧4kNにて直径8mmの平形割線錠を製した。錠剤特性として分割強度、分割均一性及び破壊強度を材料試験機により測定した。割線錠の形状は、割線深度を0.5、0.75、1.0及び1.5mmの4段階、割線角度を45、60及び75°の3段階に変化させ、合計12種類の割線錠を製した。分割強度シミュレーションでは、錠剤下面の一部を割線に平行に固定し、上面両側から垂直方向に加圧してひずみ分布を推定した。破壊強度シミュレーションでは、錠剤を剛体壁面で片側から圧縮しひずみ分布を推定した。なお錠剤を弾性連続体と仮定してシミュレーションを行った。 荷重負荷により生じるひずみは、割線部直下とその近傍で極大化することが確認された。また割線角度の影響はわずかであったが、割線深度の影響を強く受けることが示された。さらに割線が浅い場合には、割線部位以外にもひずみが生じ、その結果、分割均一性が低下した。分割強度は割線角度より割線深度に強く影響を受け、深度が大きくなるほど分割し易くなることが示された。分割強度シミュレーションでは、割線が浅いと割線以外の部位にもひずみが生じ、分割均一性に影響することが示唆された。破壊強度シミュレーションでは、圧縮軸に対する割線の向きにより、ひずみ分布が割線に沿って変化することが明らかになった。FEMシミュレーションと実験結果は良好に一致し、割線錠を設計する上で有用な基盤情報を得ることができた。
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