2016 Fiscal Year Annual Research Report
fundamental Study on the mechanism of GPCR trafficking to cell surface
Project/Area Number |
26460061
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
中村 元直 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40431762)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Gタンパク質共役型受容体 / ロイコトリエンB4 / リン酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請課題を遂行すべく、最終年度に以下のことを明らかにした。 (1) LTB4刺激濃度依存的なBLT1リン酸化亢進の確証:HeLa細胞内で強制発現させたBLT1のリン酸化をPhos-tag SDS-PAGE法で評価し、リン酸化がリガンド濃度に依存して亢進することを確証した。(2) BLT1の表在確認:作業仮説が正しいならば、BLT1は低濃度LTB4で初期活性化(例えば遊走惹起)されても細胞内に取込まれず、細胞表面に留まるはずである。これを東京大学大学院工学研究科の長棟輝行教授が開発した表在GPCR特異的な蛍光標識法を活用し、共焦点蛍光顕微鏡を用いたタイムラプス解析で証明した。(3) BLT1リン酸化亢進とシグナル変換の意義:BLT1の全リン酸化部位は既に決定し、その部位変異体も作製した。BLT1のリン酸化は、恒常的な部位が5箇所、リガンド刺激依存的な部位が2箇所であった。そこで変異体は、恒常的な部位のみ(Δb-phos)、誘導的な部位のみ(Δi-phos)、全部位(Δphos)の3種類を作製した。このリン酸化欠損BLT1をHeLa細胞、CHO-K1細胞、RBL-2H3細胞などで発現させ、低濃度、高濃度LTB4で刺激した際の細胞応答を正常型BLT1発現細胞と比較し、リン酸化修飾の欠損で高濃度リガンド下での脱顆粒応答が顕著に低下することを見出した。遊走能に関しては、Boyden-chamber法によって、リン酸化修飾欠損によって高濃度LTB4刺激でのBLT1を介する走化性が顕著に低下することを見出した。(4) リン酸化欠損型の応答異常の原因解明:cAMP産生、ERK活性、Akt活性を調べ、高濃度リガンド刺激で惹起されるこれら全ての応答がリン酸化修飾の欠損で異常となることを見出した。
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Research Products
(9 results)