2016 Fiscal Year Research-status Report
GPCRのアロステリックリガンド:細胞応答測定による親和性解析法とリガンド探索
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26460092
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
須賀 比奈子 順天堂大学, 医学部, 特任助教 (50261186)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | GPCR / リガンド / アロステリックリガンド / 薬理学 / 細胞応答 / リガンドバイアス / Gタンパク質共役受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
1, 細胞応答測定によるG蛋白質共役受容体(GPCR)のアロステリックリガンドの解析法:GPCRへのアロステリックリガンド結合に関する全ての媒介変数を推定する理論と解析法を開発することを試みている。この解析法を実証するために、M2ムスカリン性アセチルコリン受容体、または、恒常的に活性化させた変異M2受容体を培養細胞に発現させて、作動薬で刺激し、細胞応答を測定することにより、必要なデータを収集している。今年度は、この解析法が様々な細胞内シグナル系に対する作動薬の選択性(リガンドバイアス)の定量に適用可能か調べるため、リガンドバイアスの定量に適した細胞応答測定法と考えられる、TGFα切断アッセイの確立を行い、この方法が本研究の目的に適していることを示した。 意義:この解析法が開発されると、標識リガンドや比活性の高い標識リガンドが無いなどの理由で、リガンド結合実験ができない場合でも、細胞応答測定のみで、アロステリックリガンドの親和性解析や、リガンドバイアスの定量が可能になる。 2, パーキンソン病治療のリード化合物探索:パーキンソン病の原因遺伝子産物Parkin及びPINK1を共発現させた酵母細胞の増殖阻害を指標として、Parkin/PINK1の機能促進/阻害剤の探索を行った。 (1)今年度は、化合物ライブラリ38227種から、増殖阻害剤を2種得た。このうち1種は、Parkin/PINK1共発現細胞とParkin単独発現細胞のlogEC50の差が0.7程度あり、EC50が1 microM程度と低かったので、創薬のリードとなる可能性が考えられた。 (2)昨年度得られた増殖阻害剤の機能解析を行った結果、この化合物がPINK1に作用していること、PINK1のリン酸化には関与していないことが示唆された。 意義:本研究は、パーキンソン病の治療法開発に役立つ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度前半は、ERATOプロジェクトの研究推進主任の業務を行っていたため。 平成27年6-8月は、通勤中の事故で歩行困難になったため。 平成28年度は、所属していた基礎研究医養成プログラムの最終年度と重なり、業務が多忙であったため。 リガンド探索の計画が、メガファーマ等により先行研究されていたため、計画の見直しを行ったため。 研究代表者が、応募時は筑波大学に勤務していたが、その後、東京大学、京都産業大学、順天堂大学、昭和女子大学と移動したため。
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Strategy for Future Research Activity |
1, 細胞応答測定によるGPCRのアロステリックリガンドの解析法:GPCRへのアロステリックリガンド結合に関する全ての媒介変数を推定する理論と解析法を開発する。この解析法を実証するために、必要なデータを収集する。即ち、TGFα切断アッセイを用いて、M2受容体および変異M2受容体に対する各種作動薬及び各種アロステリックリガンドの定数を得る。また、これらの受容体を、拮抗薬4-DAMPの窒素マスタード誘導体でアルキル化することにより、一部を不活性化させて、同様の実験を行う。同様の実験系で、リガンド結合実験を行い、作動薬及びアロステリックリガンドの定数の値が、TGFα切断アッセイから得られる値と同様であることを実証する。次に、M1受容体を用いて同様の実験を行い、この解析法が他の受容体にも適用可能であることを示す。 2, パーキンソン病治療のリード化合物探索:スクリーニングをさらに行い、より選択性が高く、低濃度で作用する化合物を探す。得られた化合物の最適化を行い、さらに活性の高い化合物を合成する。PINK1を発現させた哺乳動物細胞を用いて、化合物の作用機構および結合部位を調べる。
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Causes of Carryover |
平成26年度前半は、ERATOプロジェクトの研究推進主任の業務を行っていたため、研究する機会がなかったから。平成27年6-8月は、通勤中の事故で歩行困難になったため、研究できなかったから。平成28年度は、所属していた基礎研究医養成プログラムの最終年度と重なり、業務が多忙であったため、研究する時間が少ししか取れなかったから。 研究代表者が、応募時は筑波大学に勤務していたが、その後、東京大学、京都産業大学、順天堂大学、昭和女子大学と移動したため、移動の前後は会計処理などの都合上、科研費の使用を控えたから。 大学の授業や行事が、当初参加を予定していた国内・海外の学会の日程と重なっていたため、国内・海外の学会に参加することができなかったから。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年4月より勤務している昭和女子大学で使わせていただくラボには、実験台しかないので、分子生物学実験、生化学実験、細胞培養、各種アッセイ、リガンド結合実験などに使用する試薬およびプラスチック器具を、1から全て揃える必要があり、そのための物品費に使用する。(冷蔵・冷凍庫は校費で購入する予定である。遠心機やクリーンベンチ、CO2インキュベーターなど高額機器は他の研究室に借りる予定である) カリフォルニア大学アーバイン校の研究協力者を訪問し、研究(解析法、計画など)、および、論文執筆について打合せを行うための旅費に使用する。 国内学会(日本生化学会12月、日本薬学会3月)で発表するための旅費に使用する。
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Research Products
(3 results)