2016 Fiscal Year Annual Research Report
The role of basophils and coagulation reactions for pathology of chronic spontaneous urticaria
Project/Area Number |
26460097
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
柳瀬 雄輝 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 助教 (40452586)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 慢性蕁麻疹 / 組織因子 / 血管透過性亢進 / 血管内皮細胞 / ヒスタミン / LPS |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性蕁麻疹の病態と血液凝固異常の関係が指摘されているが、局所における血液凝固反応の亢進と、それに次ぐ膨疹形成機構は明らかではない。本研究では、局所で血液凝固反応を駆動する要因として、血管内皮細胞が発現する組織因子(TF)に着目し、ヒスタミン、微生物由来成分(LPS)によるTF発現制御機構の解明と血管透過性への影響を検討した。血管内皮細胞(HUVEC)のTFの発現はRT-PCR法、フローサイトメトリ法により測定した。発現したTFの外因系凝固反応駆動脳はActochrome TF activity assay kitを利用し評価した。HUVECの細胞間接着状態は免疫蛍光法、インピーダンス法により評価した。 その結果、LPS前処理によりHUVECのヒスタミンに対する感受性が増大し、ヒスタミン刺激によるTF発現が増強された。また、細胞上に発現したTFは外因系凝固反応を駆動し、活性化凝固因子を産生し得ることを明らかにした。さらに、血液凝固反応によって産生される活性化凝固因子はHUVECの細胞間接着状態に影響し、血管透過性を亢進する可能性が示された。 LPS前処理による血管内皮細胞のTF発現増強機構と、凝固反応により産生される活性化凝固因子が血管内皮細胞の細胞間接着状態を制御して血管透過性を亢進させるメカニズムの一端が明らかとなった。微生物由来成分とヒスタミンにより誘導される血液凝固反応と、それに次ぐ膨疹形成機構の全容を解明できれば、慢性蕁麻疹の新たな病態解明と効果的な薬物治療の開発に繋がると期待される。
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Research Products
(5 results)