2016 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of the disinfection technique applying photo-irradiation of polyphenols combined with polyphenol-induced wound healing effect based on structure-activity relationship analysis
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26460116
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庭野 吉己 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40375184)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ポリフェノール / 光照射殺菌 / 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は、カテキンおよびその重合体であるプロアントシアニジンを主成分とするGrape Seed Extract (GSE, ブドウ種子エキス)の抗酸化活性と細胞保護効果を検討した。GSE構成成分のlogP値が+0.1から+0.5のカテキンモノマー並びにlogP値が0付近のカテキンダイマーについては細胞に取り込まれることは確認した。さらにGSE短時間(1分間)処理によるヒト歯肉線維芽細胞に対する細胞保護効果という興味深い知見を見出いだしたことから、ワイン製造工程で排出される産業廃棄物であるブドウ圧搾残渣 (grape pomace)に着目し、その抽出物 (grape pomace extract, GPE)の活性を調べた。世界で生産されるブドウの量は年間7,000万トンで、その80%はワインに使用されている。ワイン加工時に20%は搾りかす、7%は澱として廃棄される。一方でこれら廃棄物にはポリフェノールが高含有されているため活用が期待できる。本研究ではワイン加工時の副産物であるGPEに青色可視光を照射することで生成する水酸化ラジカル(・OH)の動態を解析するとともに、グラム陽性細菌Staphylococcus aureus, グラム陰性細菌 Pseudomonas aeruginosaおよび酵母様真菌 Candida albicans に対する殺菌活性を市販ポリフェノール(GSEおよびカテキン)と比較検討した。その結果、GPEは、抗酸化活性に加え、酸化促進(・OH生成) および殺菌活性においても市販ポリフェノールより優れることを見出した。これら成果については、論文投稿し受理された。 以上、光照射下での殺菌とともに細胞増殖・保護作用を示すポリフェノール素材は、殺菌と創傷治癒促進作用を同時に発揮しうることが期待される。
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Research Products
(11 results)