2016 Fiscal Year Annual Research Report
Search for tubulin regulatory molecules derived from marine invertebrates aimed at the development of novel anticancer agents
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26460124
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山田 耕史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (00253469)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | チューブリン分子 / 海洋無脊椎動物 / 海綿動物 / 棘皮動物 / スフィンゴ脂質 / セラミド / セレブロシド |
Outline of Annual Research Achievements |
がん克服の実現のためには、より有効な新規抗がん剤を創出することが不可欠である。 本申請研究では、新規抗がん剤開発のためのシード化合物の創製を目指した基礎研究として、1)がん細胞の分裂等の細胞機能に大きく関与しているチューブリン分子の重合・脱重合を阻害する化学物質を九州西岸海域産海洋無脊椎動物から探索し、2)その構造解明と構造活性相関の検討を行い、3)活性アナログ体開発のための基礎データとして、活性発現に必須な構造単位を解明することを目的として行った。平成28年度は、長崎県沿岸海域で採集した、棘皮動物ナマコの活性成分の検索並びに、紅海産海綿動物の活性成分の検索を行った。その結果、種々のスフィンゴ脂質成分を活性成分として分離することに成功し、その構造の解明を行った。その結果、これらの成分は、セラミド、セレブロシド、セラミドリン脂質であることを見出すことができた。また、これらはいずれも、アルキル鎖長の異なる成分の混合体である、分子種として存在することが明らかになった。現在、セレブロシドを用いて、セラミドリン脂質のアナログ体の合成を行っている。一方、紅海産海綿動物から得られたセラミドは、チューブリン分子に対する作用は認められなかったものの、アセチルコリンエステラーゼ (AChE) 阻害活性を示すことを見出すことができた。また、セレブロシド並びにセラミドリン脂質は、マウスを用いた実験において、血中コレステロール低下作用を示すことを明らかにすることができた。これらの結果は、医薬素材としての、スフィンゴ脂質の新たな可能性を示唆する結果につながり、医薬素材の開発並びに探索研究の有益な成果である。
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Research Products
(5 results)