2014 Fiscal Year Research-status Report
次世代抗HIV薬の創製を目指すダフナン型ジテルペノイドの植物化学的研究
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26460133
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
李 巍 東邦大学, 薬学部, 准教授 (90328633)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 抗HIV薬 / ダフナン / ジテルペノイド / 創薬 / 天然物化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による感染症が急速に蔓延している中、既存の抗HIV薬による治療法ではHIVを根絶できないため、新しい抗HIV薬の創製が急務である。潜伏期のHIV ウイルスを活性化することはHIV感染症を完治できる抗HIV薬の創製の重要なポイントである。本研究はこのような潜伏期のHIV ウイルスを活性化する作用を持つ化合物に注目して、ネパール原産のジンチョウゲ科植物Stellera chamaejasme由来の潜伏期のHIV ウイルス活性化作用を持ち、かつ極めて強力な抗HIV活性を示すダフナン型ジテルペノイドをリード化合物として、その誘導体の化学合成および近縁植物から化学構造類似体の単離によって、新しい抗HIV薬シーズの発見を研究目的とする。 26年度においては、ネパール産のStellera chamaejasmeを30Kg採取した。採取した植物をメタノールにて抽出し、さらに各種クロマトグラフィーを用いて、4工程で活性化合物gnidimacrinを1g単離精製した。現在、単離した化合物を用いて、化学誘導体の作製を検討中である。 一方、ダフナン型ジテルペノイドを単離するため、中国原産のトウダイグサ科およびジンチョウゲ科薬用植物9種を採取した。これら植物について、メタノールにて抽出し、得られた抽出物について、現在詳細な化学成分を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度においては、化学誘導体作成の原料であるgnidimacrinを原植物から1g単離できた。 一方、新規ダフナン型ジテルペノイドを探索するための植物材料9種類を採取して、さらにその抽出物を作成した。 おおむね、予定通り研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、Gnidimacrinをリード化合物として、加水分解反応によるアシル基の脱離、新たなアシル基の導入および水酸基に新規官能基の導入などにより新規誘導体の合成を行う予定である。 各植物の抽出物の分析法を確立して、さらにダフナン型ジテルペノイドを含まれる分画について詳細な成分研究を行う予定である。
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Research Products
(1 results)