2015 Fiscal Year Research-status Report
次世代抗HIV薬の創製を目指すダフナン型ジテルペノイドの植物化学的研究
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26460133
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
李 巍 東邦大学, 薬学部, 准教授 (90328633)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | gnidimacrin / 抗HIV活性 / ダフナン型 / ジテルペノイド / トウダイグサ科 / ジンチョウゲ科 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度においては、瑞香狼毒より単離した活性化合物gnidimacrinを用いて、抗HIV活性の詳細を検討した。その結果、HIV感染患者から得られた末梢血単核細胞において、gnidimacrinは潜伏HIV-1 DNAレベル及び潜伏感染細胞の頻度を顕著に低減させた。この効果はプロテインキナーゼCβIおよびβIIの選択的活性化によるものと明らかにした。Gnidimacrinは有効濃度において、T細胞の活性化および炎症性サイオカインの蓄積が見られないことから、gnidimacrinの抗HIV臨床有効性が期待される。 一方、構造活性相関解析のため、活性化合物gnidimacrinを用いて、加水分解反応を行い、2種のgnidimacrin化学誘導体を作製した。これら化学誘導体の抗HIV活性の評価および構造活性相関の解析について、現在検討中である。 更に新しい抗HIV活性ダフナン型ジテルペノイドの探索のため、中国原産のトウダイグサ科およびジンチョウゲ科薬用植物9種を採取し、抽出物および分画を作製した。そのうち、狼毒大戟について、詳細な成分研究を行った結果、新規化合物10種を含む計31種のジテルペノイドを単離し、構造決定した。これらジテルペノイドは化学構造多様性を示すものの、ダフナン型ジテルペンが含まれなかった。これら化合物の抗HIV活性について現在検討中である。ほかの植物のダフナン型ジテルペノイドについても現在精査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
活性化合物gnidimacrinはHIV感染患者から得られた末梢血単核細胞においても強力かつ良好な抗HIV効果が得られた。 この結果を踏まえて、gnidimacrinを中心に研究の展開が行われた。
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Strategy for Future Research Activity |
活性化合物gnidimacrinはHIV感染患者から得られた末梢血単核細胞においても強力かつ良好な抗HIV効果が得られた。 今後、gnidimacrinを中心にさらに研究を展開し、化学誘導体の作成により、構造活性相関を解析する。
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Causes of Carryover |
予定より少ない工程で化合物の単離と合成ができたため、経費の節約ができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き、化合物の単離と合成の試薬購入に使用する予定である。
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