2016 Fiscal Year Annual Research Report
A new strategy for epilepsy therapy and Kampo: Focusing on preventing brain edema in basic research
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26460139
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
伊藤 康一 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (30291149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 康宏 広島大学, 総合科学研究科, 助教 (80435073)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 漢方薬 / てんかん / 脳浮腫 / BBB / 脳内炎症 / 予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳浮腫は、生命予後を左右する重大な病態であり、脳浮腫発症制御は症候性てんかんの治療戦略上重要である。利水作用を有する漢方方剤「五苓散」による予防的治療の可能性を検討した。重積けいれん(SE)側頭葉てんかんモデル動物の脳浮腫と自発けいれん発作(SRS)出現とBBB透過性検討のための、実験方法を確立した。ICR雄性マウスにピロカルピン投与後5回けいれん重積させ、その後SRSは、24時間ビデオ撮影で観察した。SE 2日後のMRI所見で海馬、扁桃体に血管原性脳浮腫が認められた。実際、SE2日後の同部位の水分含量も有意に増加した。血管原性脳浮腫とBBBの関連から ガドリニウム増強MRI撮像で、同部位で一過性BBB透過性亢進を観察した。つまり、SE後初期の一過性BBB透過性亢進が血管原性脳浮腫を誘導したことが明らかとなった。この手法を用い五苓散の効果を検討した。五苓散はSE後、1日3回(30と300 mg/kg)経口投与した。高用量群においてのみ、SE2日後有意な抑制効果が認められた。次に、海馬、扁桃体の水チャネルのアクアポリン(AQP)と炎症関連分子の発現量をRT-qPCRで測定した。SE2日後、有意に増加したAQP4、炎症性サイトカインは、高用量群で有意に抑制された。さらに、SRS発症(つまりSE後てんかん発症)に対する効果検討のためSRS観察した。平均1週間後にSRSを発症する本モデルにおいて、SE10日後でも高用量群ではSRS出現は観察されなかった。 本研究においては、SRSのけいれんを指標に五苓散の効果を評価した。一方、臨床で重要性が指摘されている非けいれん発作は脳波でのみ検出される。今後、五苓散の臨床適用を考える上で、五苓散の長期投与と24時間ビデオ・脳波測定を行う必要がある。しかし、五苓散のSE後脳浮腫に対する臨床適用の可能性は示した。
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Research Products
(1 results)