2014 Fiscal Year Research-status Report
糖化終末化合物生成を抑制し糖尿病合併症予防に有効な新規プレニルフラボノイドの創製
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26460141
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
池田 剛 崇城大学, 薬学部, 教授 (80295138)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プレニルフラボノイド / イカリソウ / 糖化終末化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、糖化終末化合物(Advanced glycation end products: AGEs)の生成を抑制することにより、糖尿病合併症や動脈硬化症、アルツハイマー病の予防・改善に有効なプレニルフラボノイド誘導体を創製することである。 申請者は、共同研究者と開発したELISA法を用いてAGEs生成阻害活性試験を行い、フラボノイドLuteolinに2本のプレニル基が結合したEpimedokoreanin Bをイカリソウ(Epimedium spp.)より見出した。一方、種々プレニル基の導入で元の化合物の生物活性が向上する事例も報告されている。そこで、AGEs生成阻害活性に関する詳細な構造活性相関の検討を行うために、代表的AGEs構造体であるNε-(carboxymethyl)lysine (CML) とコラーゲン特異的AGEs構造体である Nω-(carboxymethyl)arginine (CMA) の生成を阻害する化合物をイカリソウより単離し、構造活性相関の検討を行った。得られた単一化合物についてCMLおよびCMA生成阻害活性試験を行ったところ、配糖体よりもアグリコンの活性が強いと判明した。また、フラボノイド骨格のB 環部分にカテコール基を有し、8 、5’ 位にプレニル基を有することが生成阻害活性の発現に必須であると判明した。 以上の知見より、これまでのスクリーニング試験と同様に、今回得られた化合物のなかでEpimedokoreanin Bが、CML, CMA生成阻害活性が強く、収量も多いことから、イカリソウのAGEs 生成阻害活性の本体であると推定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イカリソウの抽出分離を行い、得られた44種類の単一化合物について、CML, CMA生成阻害活性の評価を行った。その結果、阻害活性の強い化合物の化学的特徴を観測することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
1.Luteolinをリード化合物として、各種プレニルフラボノイド誘導体を効率的に合成: キクカより容易に得られるLuteolinを原料として、Luteolinの芳香環の水素原子3、6,8位と2’、5’、6’位のうちの1カ所もしくは複数箇所にイソプレン単位の異なる官能基(ジメチルアリル基、ゲラニル基、ファルネシル基)を付加させ、プレニル基のバラエティーを組み合わせたプレニル化フラボノイドライブラリーの調製を行う。プレニル基の導入には、アルカリ存在下、プレニル臭化物を加えて行う(Basabe P., et al., Euro. J. Med. Chem., 45, 4258-4269 (2010))。 2.AGEs生成抑制活性の評価: 得られた化合物のAGEs生成抑制活性試験は、モノクローナル抗CML抗体、抗Pentosidine抗体、抗CMA抗体を用いたELISA法で行う。先ず、DMSOに溶解した化合物 (100 μM) をリボース (30 mM) とゼラチン (2 mg/mL) の混合溶液に添加し、37℃で7 日間インキュベートする。次に、抗CML抗体、抗CMA抗体、抗Pentosidine抗体を一次抗体として、ELISA法で生成阻害活性を評価する。ポジティブコントロールとして、LuteolinとEpimedokoreanin Bを用いる。そして、プレニル化の影響について詳細な構造活性相関の検討を行い、更なる誘導体の合成に活用する。
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Causes of Carryover |
直接経費は、ほぼ予定通りの金額を支出した。年度末の最後に消耗品の支出で残額を0円に調整することが上手くいかずに、197円分が次年度に繰り越しとなってしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した分は、物品費にあて、サンプル瓶の蓋などに使用する予定である。
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Research Products
(7 results)