2015 Fiscal Year Research-status Report
糖化終末化合物生成を抑制し糖尿病合併症予防に有効な新規プレニルフラボノイドの創製
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26460141
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
池田 剛 崇城大学, 薬学部, 教授 (80295138)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プレニルフラボノイド / 終末糖化生成物 / イカリソウ |
Outline of Annual Research Achievements |
イカリソウより単離したプレニルフラボノイドのうち、サンプル量が確保できた 35個について、抗モノクローナルCML, CMA 抗体を用いたELISA 法により、CML, CMA生成阻害活性を測定した。その結果、阻害活性の強い化合物は、配糖体よりもアグリコンであった。また、アグリコンの中でもC 環 3 位に酸素官能基を有するフラボノール骨格より、3 位に酸素官能基が無いフラバン骨格で活性が強いことが判明した。即ち、EK-B (8), epimedonin E (21), G (22), H (24) の4種のプレニルフラボノイドに顕著なCML, CMA 生成阻害活性が観察された。 生成阻害活性の強い4種の化合物は、共通してカテコール基とプレニル基を有しているため、それらの官能基の重要性を検討した。先ず、EK-B のフェノール性水酸基をジアゾメタンでメチル化した。その結果、メチル化誘導体はEK-B より活性が低下したが、特にフラボノイド骨格 A 環 5 位の水酸基がメチル化された化合物は活性が顕著に低下した。このことから、 A 環 5 位の水酸基とC 環4位のカルボニル基との水素結合がCML, CMA 生成阻害活性に重要であることが示唆された。また、カテコール基を持つ単純な3つの化合物(gallic acid, pyrogallol, chlorogenic acid)とEK-BについてCML, CMA生成阻害活性を比較した。その結果、3 つの化合物ともにEK-Bより弱い阻害活性を示すのみであった。次に、プレニル基の重要性を検討するために、プロポリス由来のartepillin C, drupanin, baccharin を用いてCML, CMA 生成阻害活性を検討した。しかしながら、どの化合物にもCML, CMA生成阻害活性は確認できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EK-Bと関連のある天然有機化合物とCML, CMA生成阻害活性の比較を行うことが出来た。 その結果、ファーマコホアの絞り込みに関して有効なデータを得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
Luteolinをリード化合物として、各種プレニルフラボノイド誘導体を効率的に合成:市販されているLuteolinを原料として、Luteolinの芳香環の水素原子8位と5’位にイソプレン単位の異なる官能基(ジメチルアリル基、ゲラニル基、ファルネシル基)を付加させ、プレニル基のバラエティーを組み合わせたプレニル化フラボノイドの合成法を検討する。先ず、プレニル基の導入には、Qinggang Mei らの icariin の全合成を参考に、para-Claisen Cope rearrangement 法を用いて行う(Beilstein J. Org. Chem. 2015, 11, 1220-1225)。 AGEs生成抑制活性の評価:得られた化合物のAGEs生成抑制活性試験は、モノクローナル抗CML抗体、抗CMA抗体を用いたELISA法で行う。ポジティブコントロールとして、LuteolinとEpimedokoreanin Bを用いる。そして、プレニル化の影響について詳細な構造活性相関の検討を行い、更なる誘導体の合成に活用する。
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Causes of Carryover |
直接経費は、ほぼ申請通りの金額を支出した。年度末の消耗品の購入において、残額が出てしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した分は物品費にあてる。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Saponins, esculeosides B-1 and B-2, in tomato juice and sapogenol, esculeogenin B12015
Author(s)
Nohara, Toshihiro; Fujiwara, Yukio; Zhou, Jian-Rong; Urata, Jun; Ikeda, Tsuyoshi; Murakami, Kotaro; El-Aasr, Mona; Ono, Masateru
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Journal Title
Chemical & Pharmaceutical Bulletin
Volume: 63 (10)
Pages: 848-850
DOI
Peer Reviewed
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