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2015 Fiscal Year Research-status Report

ニコチン酸(ビタミンB3)の作用から脂肪肝治療の新たな標的分子を解明する

Research Project

Project/Area Number 26460174
Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

原 眞純  帝京大学, 医学部, 教授 (70420213)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 菊池 健太郎  帝京大学, 医学部, 准教授 (60297158)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords脂肪肝 / アポリポ蛋白 / ニコチン酸 / 食後高血糖
Outline of Annual Research Achievements

平成26年度までの検討で、ニコチン酸の投与は0.5%混餌投与でグルタミン酸ナトリウム(MSG)の新生児期投与でおこる脂肪肝の発症を抑制し、完成した脂肪肝を病理組織上正常にまで改善させること、0.1%混餌投与では、脂肪肝抑制効果は0.5%混餌投与と同等である上、0.5%混餌投与で認められた食後高血糖が軽度であることが確認できた。作用メカニズムの検討のため、1) MSGを投与しないコントロール群 2) MSGを投与し、ニコチン酸を投与しない脂肪肝群 3) MSGを投与し、ニコチン酸投与により脂肪肝が発症しなかった群 の3群のプール検体を用いて肝臓での遺伝子発現をマイクロアレイ解析で検討した。1)と2)の比較により、MSG投与による肝臓での遺伝子発現の変化が、2)と3)により、ニコチン酸による治療効果が、1)と3)により、MSG投与によって変化するが、ニコチン酸による脂肪肝改善効果には関係のない遺伝子について検討できると考えられた。
ニコチン酸の投与の有無では、炎症や脂肪酸合成アポトーシスなどと関連する遺伝子pathwayの変化が有意であった。ニコチン酸投与による変化が顕著であった遺伝子として、多くの遺伝子が挙がってきたが、脂質代謝に関係するものとしてはアポリポ蛋白A-IV、PNPLA3(patatin-like phospholipase domain containing 3)などが含まれていた。このうち、アポリポ蛋白A-IVは、肝臓からの中性脂肪分泌に関係することが報告されている。PNPLA3は、ヒトにおいて変異が脂肪肝と関係することが報告されているが、PNPLA3自体の発現レベルと脂肪肝との関係は明らかになっておらず、脂肪肝発症に関与するメカニズムも不明である。
現在、これらの遺伝子発現と蛋白発現について解析を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成26年度にMSG投与マウス以外のマウス脂肪肝に対する検討を行い、高脂肪食負荷のC57BL6マウスでニコチン酸の治療効果が不十分であったため、MSGマウスに対する0.1%混餌投与を慎重に行った結果、マイクロアレイ解析を行うのが遅れ、結果の解析に本年度の半ばまでの期間を要した。
マイクロアレイ解析により、既報にてニコチン酸と脂肪肝との関連すると示唆されていたDGAT2は、本モデルで検討している脂肪肝の改善効果とは関係が低いことが明らかとなった。従って、DGAT2に対するin vitroの解析は行っていない。代わりに、マイクロアレイ解析によって関与が示唆されたアポリポ蛋白A-IVおよびPNPLA3についての解析を進めている。また、培養β細胞に対する影響については、当施設の実験棟の改修に伴う機器整備のため、開始できず、平成28年度に実験を延期している。

Strategy for Future Research Activity

特に、PNPLA3は脂肪肝と関連して注目されている因子であり、作用機序が不明である点からも、今後解析をさらに進める予定である。ニコチン酸の0.5%混餌投与において、脂肪肝の著明な改善にも関わらず食後高血糖が認められた。これに対しては膵β細胞への直接の影響である可能性が高いと考えており、平成27年度に予定していた培養膵β細胞に対する添加実験を行う予定である。

Causes of Carryover

細胞実験室設備の改修に伴い、膵β細胞に対するニコチン酸の効果など、一部の実験の進行が遅延したため、試薬や細胞培地などの消耗品の購入が遅れ、経費を次年度に持ち越すこととなった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

本年度は予定通りに細胞培養実験を開始できる状況となったため、試薬や培地など消耗品の購入に充てる予定である。また、論文も投稿準備中であるため、論文の投稿費用にも当てる予定としている。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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