2014 Fiscal Year Research-status Report
炎症・アレルギー性物質の長距離大気輸送及びその生物活性の解明
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26460178
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
渡辺 徹志 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (90182930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷井 友尋 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (10388027)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エンドトキシン / 大気粉塵 |
Outline of Annual Research Achievements |
福岡県太宰府市において、PM2.5用インパクターを装着したハイボリウムサンプラーを用いて、2014年5月より大気粉塵をPM2.5とそれ以外の粒子(粗大粒子)にわけて2015年3月まで捕集した。捕集に用いるフィルターについて検討した結果、市販のフィルターではエンドトキシンが検出されるが、加熱処理することにより,エンドトキシンが検出限界以下までていかすることがわかった。捕集した粉塵からエンドトキシンを抽出する方法、すなわち(1)精製水を用いる振とう抽出、(2)精製水を用いる超音波抽出、(3)Tween 20を用いる超音波抽出をについて検討した。その結果、(3)Tween 20を用いる超音波抽出によりエンドトキシンが最も効率的に抽出されることがわかった。PM2.5と粗大粒子からTween 20を用いる超音波抽出により得た抽出物についてエンドトキシンを分析した結果、分析したいずれの試料からもエンドトキシンが検出され、その量は大気粉塵の捕集時期により変動するものの、いずれの時期においても、PM2.5より粗大粒子に多く含まれていることがわかった。また、加熱処理したフィルターについてタンパクについて分析した結果、検出限界以下であった。上記(1)から(3)の方法についてタンパクの抽出効率を検討した結果、抽出方法による差がないことがわかった。Tween 20がタンパク分析に与える影響について検討した結果、分析結果に影響しないことがわかった。PM2.5と粗大粒子からTween 20を用いる超音波抽出により得た抽出物についてタンパクを分析した結果、分析したいずれの試料からもエンドトキシンが検出され、その量は大気粉塵の捕集時期により変動するものの、いずれの時期においても、粗大粒子よりPM2.5に多く含まれていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大気粉塵の捕集方法が確立し、順調に捕集が行われている。大気粉塵中のエンドトキシンとタンパクの抽出方法が確立した。大宰府において捕集したPM2.5と粗大粒子について、エンドトキシンとタンパクを分析した結果、分析方法は試料中の微量なエンドトキシンとタンパクを分析するのに十分な検出感度を有していることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度捕集した試料についてエンドトキシンとタンパクの分析を行う。また、今年度も同様に粉塵を捕集し、昨年度の試料と結果を比較し、大気中のエンドトキシンとタンパクの量の季節変動の規則性について検討する。当初の研究計画通り研究を実施する。
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Causes of Carryover |
昨年度計画していた研究が、当初計算した予算よりもわずかながら少額で実施でき、次年度実施に必要と考えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に使用する予定。
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