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2014 Fiscal Year Research-status Report

細胞チップを用いた細胞機能解析を可能とするマラリア迅速・高感度検出システムの構築

Research Project

Project/Area Number 26460186
Research InstitutionNational Institute of Advanced Industrial Science and Technology

Principal Investigator

八代 聖基  独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 主任研究員 (90399155)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords薬学 / 感染症 / マラリア
Outline of Annual Research Achievements

マラリア原虫はヒトの赤血球に寄生を繰り返し、年間感染者数2億人以上うち100万人以上が死亡する人類史上最も重篤な寄生虫感染病である。感染症マラリアの深刻な問題として抗マラリア薬に対する薬剤耐性マラリア原虫の出現や、地球規模の環境変動(特に温暖化)・交通手段の発達によるグローバル化によって感染者数の増加・感染地域の拡大が上げられる。このような背景のなかWHOなどの国際機関ではマラリア撲滅指針の一つに「早期発見および適切な早期治療」を掲げている。近年、治療分野では生薬をベースとした抗マラリア薬やワクチンの開発は実を結びつつある。しかし診断法に関しては、検出感度や検出時間などの面から今だ100年以上前に確立されたギムザ染色による顕微鏡下での観察診断が主流とされている。そのため特に感染初期段階での診断に多大な時間と労力を必要とし、早期発見とその先に続く治療への大きな妨げとなっている。これまでに申請者は大量の血球細胞を一定数ずつ正確に並べる(整列させる)事ができる細胞チップと名付けた微細加工プラスチック基盤を用いることで、大量(百万個以上)の血球細胞の中からたった一個のマラリア感染赤血球を15分で見つけ出すことができる簡便かつ迅速なマラリア手法を確立した。さらに各チャンバーを反応場とし、この中でPCR反応、抗原抗体反応、さらには各チャンバーをwellに見立てる事によって各チャンバーで生化学的、分子生物学的解析を行うことができれば、治療方針を左右する原虫種同定法の確立およびハイスループットな抗マラリア薬スクリーニング法(薬剤耐性試験法)構築が可能になると考えた。そこで今年度は各種反応(機能解析のためのPCR、抗原抗体反応等)に適した細胞チップの形状(デザイン)の検討を行った。これにより溶液交換の適切な形状が判明しつつある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度はこれまでに構築した、マイクロチップ上でのマラリア検出から新たな機能付加(マラリア原虫の機能解析:抗原抗体反応やPCR反応による、原虫種や薬剤耐性の検出)を行うたため、これら機能解析反応に適したマイクロチャンバーの形状の検討が重要である。そこで今年度はその検討に重点を置いて研究を進めた。その結果、抗原抗体反応に適したデザインに関しては最適と思われる条件を見出した(PCRに関する条件は、可能そうな条件は見つけられつつあるもののまだ検討の余地あり)。これらの条件をもとに細胞チップの作成を外部に依頼している。これらの検討(成果)をもとに次年度への実際の検出条件検討へとつなげる。
こちらに注力したことにより、微小ボリュームでのPCR条件の検討は来年度行うものとする。

Strategy for Future Research Activity

本年度の細胞チップのデザイン条件検討を踏まえ、培養マラリア原虫を用いてチップ上での解析反応(特に抗原抗体反応)を試みるとともに、細胞チップ上での反応系構築を行う。また今年度検討ができていなかった微小ボリューム(100pl)でのPCR条件の検討も並行して行うものとする。さらにこのPCR反応のオンチップ化も追いかけつつ進めていく。そして最終年度にはこれらの技術を持って、マラリア流行地域(アフリカ地域)へ持込み患者サンプルでの実験を行い、実際に使える可能性まで検討を行いたいと考えている。

Causes of Carryover

細胞チップの形状の検討が今年度いっぱいとなってしまったため、チップ作成依頼が年度をまたぐことになってしまった。そのため次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

細胞チップ作成を依頼する。また作成後さらに射出成型によるチップを百枚単位で購入を予定しておりそれに使う予定である。また患者サンプル取得のため海外拠点での打ち合わせが今年度予定されている。それらに使用を予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] DEVELOPMENT OF CELL MICROARRAY CHIP FOR RAPID AND HIGH SENSITIVE MALARIA DIAGNOSIS2014

    • Author(s)
      Shouki Yatsushiro, Shohei Yamamura, Kaori Abe, Eriko Obana, Toshihiro Miata, Toshihiro Horii, Masatoshi Kataoka
    • Organizer
      Beating Malaria London 2014 (London UK)
    • Place of Presentation
      London UK, O2 stadiam
    • Year and Date
      2014-07-01 – 2014-07-03

URL: 

Published: 2016-05-27  

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