2016 Fiscal Year Annual Research Report
Quantitative prediction of drug removal by hemodialysis based on permeation clearance of hemodialyzer
Project/Area Number |
26460191
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 武人 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 講師 (00376469)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 薬物動態学 / 血液透析 / 投与設計 / クリアランス / 透析性 / 定量的予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
血液透析(HD)導入患者に対する薬物投与量設計において、投与する薬物の透析除去率(fd)やダイアライザーのクリアランス(CLHD)は重要なパラメーターであることが知られているが、その定量的予測法は未確立である。本研究では、fdやCLHDの定量的予測を目的とした過去の研究ではほとんど着目されることのなかった透析膜の透過クリアランス(KoA)を予測式に組み入れることで定量的予測が可能となると考え、文献データや臨床検体の分析から得られた実測のfd値とin vitro実験により測定したKoAとの関連性を解析することを目的とした。 洋書(Drug Prescribing in Renal Failure)に収載された薬物の中で、文献から分布容積(Vd)およびタンパク非結合型分率(fU)が入手可能であった249薬物を対象に網羅的に文献検索を行い、約80薬物についてfd、CLHDの実測値およびHD実施条件等を抽出した。KoAを100~120mL/minと仮定してfd、CLHDを予測し、実測値と比較したところ、両者は良好に一致した。またKoAによる律速を仮定しない予測式でfd、CLHDを予測したところ、予測値は実測値を大きく上回ることが明らかとなった。これらの結果から、fdやCLHDの定量的予測にはKoAを測定することが極めて重要であること示すことができ、in vitro実験によるKoAの測定をさらに推進する上での論理的根拠を構築することができた。本研究で得られた知見を基に、今後さらに情報を集積することで、fdやCLHDをin vitro実験から予測することが可能となることが期待される。
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